プロ18年目、40歳の五十嵐がトップに

[ 2009年6月6日 06:00 ]

1番で、ティーショットを打つ五十嵐雄二

 男子ゴルフツアーのUBS日本ツアー選手権宍戸ヒルズ第2日は5日、茨城県笠間市の宍戸ヒルズカントリークラブ西コース(7280ヤード、パー71)で行われ、ツアー未勝利のプロ18年目、五十嵐雄二(40=O・E・F)が6バーディー、2ボギーで自己ベストタイの67をマーク。石川遼(17=パナソニック)の中学時代にプロの凄さを見せつけた男が、通算8アンダーの134でI・J・ジャン(36=韓国)と並んで首位に立った。石川も4バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの71で通算1オーバーとし、37位で決勝ラウンドに進出した。

【第2R成績


 今季メジャー初戦の2日目、リーダーズボードの一番上に名前を載せたのは“無印”の40歳だった。五十嵐は2番で早々にボギー。だが、これで闘志に火がついた。「ボギーでイライラした。それをティーショットに思い切りぶつけた」
 4番からはいずれもピン1メートル以内に寄せて3連続バーディー。13番でボギーを叩いた後も14番から連続バーディーを奪った。17番パー4も第2打を1メートルにピタリとつけてバーディー。趣味は「好物のそば打ち」と笑うプロ18年目。この日はことごとくショットが“ピンそば”につき、98年全日空オープン初日以来、11年ぶりの首位に立った。
 茨城県常陸大宮市在住だが、出身は埼玉県吉川市。お隣の松伏町に住む石川遼とは、石川が中学時代に一緒にラウンドしたことがある。石川の弟・航君(9)が通っていた幼稚園は五十嵐の父が運営し、弟の修さんが園長。その縁で5回ほど石川と回った。ハーフで3打差のハンデをもらったにもかかわらず、1回しか勝てなかったという石川は「アイアンの差を感じました。音が違った。プロって凄いな」と当時を振り返った。五十嵐は石川にプロへのあこがれを強く抱かせた存在だった。
 プロ転向は92年。だが、ダイヤモンドカップで2位に入った01年の賞金ランク76位が最高で、優勝どころか賞金シードを獲得したこともない。それでも「若い頃よりも情熱を持ってやっている。自分にはゴルフしかない。年々うまくはなっている」と情熱を持ち続け、今季は予選会9位の成績でツアー出場権を得た。「優勝を目標にやっている。夢みたいなもんだけど、夢を持ってやっている」。ゴルフ、そして勝利への思いは17歳の石川にも負けてはいない。

 ◆五十嵐 雄二(いがらし・ゆうじ)1968年(昭43)8月28日、埼玉県生まれの40歳。吉川高出身。18歳でゴルフを始め、92年にプロ転向。96年の日本プロ選手権でツアーデビューした。シード獲得はなく、生涯獲得賞金は2304万3457円。昨季はレギュラーでの獲得賞金はなかったが、予選会9位で今季出場権を手にした。ここまで3試合に出場し、前戦の三菱ダイヤモンドカップで57位に入り35万4500円の今季初賞金を獲得。趣味はそば打ちのほか、釣り、歴史。1メートル70、72キロ。血液型O。

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2009年6月6日のニュース