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オランダ 伝統捨て守備的戦術で5発、指揮官「期待通り」も驚いた

[ 2014年6月14日 10:35 ]

<オランダ5―1スペイン>同点弾を決めたFWファンペルシー(左)とハイタッチをするファンハール監督(AP)

W杯ブラジル大会1次リーグB組 オランダ5―1スペイン

(6月13日 サルバドル)
 世界中に衝撃を与えた大勝劇に、百戦錬磨のファンハール監督も「期待通りの形でゴールを決めてくれた。ただ、その数は期待をはるかに上回った」と5得点に驚きを隠せなかった。

 W杯予選では4―3―3をベースにした伝統の攻撃サッカーで、あっさりと本大会出場の切符を得た。しかし、3月に運動量豊富なMFストロートマンを今季絶望の負傷で失うと、他国に比べ劣る守備陣を踏まえて、大会直前に5バックの守備的な戦術導入を決断。

 作戦は明快でスペインにボールを持たせ、5―3―2の陣形を崩さずに待ち構える。Optaのデータによると、前半のスペインは69・7%のボール支配率だったが、ボールを保持したエリアはグラウンドを3分割した真ん中がほとんどだった。中盤からスペースを狙って侵入しようとする相手に、激しい当たりで倒すなど球際の攻防で常に優位に立って、ゴール前まで攻め込ませなかった。

 前半27分に不運なPKで先制されても戦い方はぶれず、奪うと前線に放り込んだ。同44分にファンペルシーのダイビングヘッドで追い付き、後半8分にFWロッベンが勝ち越し点。この2点をアシストした左DFのブリントは「スペインの映像は繰り返し見たし、全員が何をすべきか分かっていた」と言い切った。

 その後も動揺するスペインをあざ笑うように、カウンターが次々とはまった。監督は「ガーナやウェールズとの親善試合ではうまくいかなかったが、相手がボールを支配するとうまくいく」と番狂わせを信じていた。

 前評判が低かったオレンジ軍団が意地とプライドで、4年前の前回決勝で負けた借りを返した。しかし、快勝した翌試合にあっさり敗戦する過去もあり、ロッベンは「まだ優勝したわけじゃない」と先を見据える。

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2014年6月14日のニュース