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なでしこ2大会連続4強!大儀見&大野弾でブラジル撃破

[ 2012年8月4日 06:00 ]

<ブラジル・日本>先制弾の大儀見(中央)に沢(左)と阪口が駆け寄る

ロンドン五輪 女子決勝トーナメント1回戦 日本2―0ブラジル

(8月3日 カーディフ)
 なでしこが4強だ。金メダル獲得を目指すFIFAランク3位のなでしこジャパンは3日の準々決勝で同5位のブラジルと対戦した。前半27分に大儀見優季(25=ポツダム)のゴールで先制すると、後半28分には大野忍(28=INAC神戸)が追加点を挙げて2―0で快勝。4位だった08年北京五輪に続いて2大会連続で4強入りを決めた。6日(日本時間7日午前1時)の準決勝で同6位のフランスと顔を合わせる。

 佐々木監督が大会前から「ポイントは準々決勝」と繰り返してきた大一番。先発はカナダ戦とスウェーデン戦と同じベストの布陣を敷いて、北京五輪銀メダルの“サッカー王国”を迎え撃った。

 立ち上がりに仕掛けたのはなでしこジャパン。開始35秒、大儀見と相手DFが競り合ったこぼれ球を拾った大野が右足でシュート。その後はブラジルに主導権を握られる展開。自陣での戦いを強いられる苦しい時間帯を耐えしのぐと、逆襲に出た。立て続けにシュートを放ってゴールを脅かし、一気に流れを取り戻す。そして27分、沢の素早いリスタートを受けた大儀見がDFラインの裏に抜け出すと、GKとの1対1から落ち着いて右足で右隅へ。大儀見の今大会初ゴールで日本が待望の先制弾を挙げた。

 佐々木監督の描いたメダルへの青写真がピタリとはまった。長距離移動を伴う1位突破を避けるため、1次リーグ最終戦の南アフリカ戦では後半途中から引き分け狙いを指示。思惑通り、2位通過で準々決勝の相手はブラジルに決定した。試合後、指揮官は「申し訳ない。どう言ってもらっても責任は俺が取る」と選手に頭を下げたが、金メダルを手にするためになりふり構っていられなかった。指揮官の覚悟に選手たちも応えた。

 エースの沢は中盤でピンチの芽を摘み、前線へ決定的なパスを供給した。スタンドでは母・満寿子(まいこ)さんがユニホーム姿で観戦。スウェーデン戦後に娘と再会した満寿子さんは「とにかく決勝に行くまで一戦一戦乗り越えてほしい」と熱い声援を送った。

 後半は再びブラジルの猛攻にさらされたが、後半28分にはカウンターから大儀見のロングパスを受けた大野が豪快な左足のシュートを決めて、追加点を奪ってリードを広げた。そのまま2―0でブラジルを下し、2大会連続の4強進出。日本女子サッカー史上初の五輪のメダル獲得という快挙にあと1勝に迫った。“サッカーの聖地”ウェンブリー競技場で行われる準決勝で、フランスに勝利すれば銀メダル以上が確定する。なでしこジャパンは夢の階段を着実に駆け上がっている。

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