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22年W杯日本は落選…悲願の単独開催ならず

[ 2010年12月3日 06:00 ]

22年開催地を発表するFIFAブラッター会長

 22年W杯の日本開催の夢が散った。W杯の18、22年大会開催地を決定する国際サッカー連盟(FIFA)理事会は2日、スイス・チューリヒで開催された。初の単独開催を目指し、22年大会に立候補した日本は最先端の3D映像などハイテクを駆使した「次世代W杯」を提案したが、選挙戦に完敗。日本サッカー協会の小倉純二会長(72)は早くも次回W杯招致への立候補を明言した。

 劣勢との事前予想通り、悲願のW杯単独開催はならなかった。「残念ながら負けた。ロシア、カタールに“おめでとう”と言いました。やっぱり今までやってないところは強い」。日本招致委員会の委員長を務めた日本サッカー協会の小倉会長は淡々と話した。
 22人のFIFA理事による22年W杯開催地決定の投票。過半数の票を獲得する候補地が出るまでは最少得票数の開催地が落選していくが、最初にオーストラリア、続いて日本、3番目に韓国が振り落とされ、最後はカタールと米国の決選投票でカタールに決定した。「日本と韓国は02年にやっているので“too soon”の風を崩すことはできなかった」と小倉会長は敗因を分析した。
 招致活動で日本が提案したのは最先端技術を駆使した未来型W杯。最終プレゼンでは世界的な著名人を起用せず、シンプルに訴えた。小倉会長は「出来は良かった」と振り返ったが、関係者は「プレゼンに関係なく大勢は決まっていた」と明かす。カタールを筆頭にライバル国のなりふり構わぬロビー活動。FIFA理事の不正疑惑などが報じられる中、日本はクリーンに訴えたが票には結びつかなかった。
 小倉会長は「ファンがまた(招致を)やってくれというのなら、(2050年までにW杯開催を訴えた)“05年宣言”は変えるつもりはない」と再びチャレンジすることを明言した。だが、22年にカタールでの開催が決定したために、同じアジアの日本が立候補できるのは34年大会まで待たなければならない。
 また、同じアジア勢でもFIFAが新たな巨大市場として注目する中国の台頭があり、今後も苦戦は続く。招致が実現すれば、経済効果は02年の3兆3000億円をはるかに上回る5兆円と言われた。サッカー界の底辺拡大にも計り知れない効果があったはず。今回の落選が、日本サッカー界に与える打撃は決して小さくない。

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2010年12月3日のニュース