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ロシア、政府の統制力が強みに

[ 2010年12月3日 00:57 ]

 【W杯開催地決定】2010年南アフリカ、14年ブラジルと、運営上の困難を覚悟で大陸持ち回りの理念を貫いたFIFAは、18年大会にまず安定性を求めた。ロシアは統制力の強い連邦政府が、治安維持や財政保証を全面的に確約し、招致レースで他候補と一線を画した。

 FIFA筋によると、有力とみられたイングランドは過激派テロの危険性、スペイン・ポルトガルは景気後退の打撃が懸念として残っていた。ロシアはプーチン首相を先頭に、国家的イベントの遂行力をアピールし続けたことが奏功した。
 現地視察団の調査報告書では欧州4候補の中でロシアだけが、空港や国際連絡網の項目でリスクが「高い」と指摘された。移動の長さや鉄道網の不十分さから、航空機に頼らざるを得ない点も懸念された。
 しかし、旧ソ連、東欧で初のW杯開催による市場開拓という魅力が、それを上回った格好だ。FIFAは商業上の権利保護を重視する。ロシアは調査報告書で便乗商法の取り締まりなどの厳密な法制化を評価されたことも追い風となった。(共同)

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2010年12月3日のニュース