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22年W杯はカタール!巨額オイルマネーで圧倒

[ 2010年12月3日 06:00 ]

W杯を胸に抱いて喜ぶカタール招致トップのアルサニ氏(左)

 日本を下して22年大会の招致に成功したのは、前評判が高かったカタールだった。アジアでは02年日韓大会以来の2回目、中東では初のW杯開催。招致トップのアルサニ氏は「カタールを支持してくれて感謝します。われわれを、そして中東を選んだことを誇りに思うでしょう」と語った。

 オイルマネーを背景とした巨大投資が決め手となった。政府はインフラ整備に469億ドル(約3兆9400億円)を投じる方針を示した。スタジアムには40億ドル(約3360億円)を投じ、太陽エネルギーを利用する最新の冷却技術で会場を気温27度以下に保つ酷暑対策なども認められた。
 集票活動も大々的に進めた。招致大使に元フランス代表MFのジダン氏ら大物を次々と起用。オーストラリア紙にジダン氏の成功報酬は1500万ドル(約12億6000万円)と報じられるなど、他国がうらやむ資金を投じた。スペイン・ポルトガルとの票取引疑惑はFIFAの調査で証拠不十分で不問とされたが、資金力と政治力をフル活用して票を勝ち取った。
 国の面積は秋田県とほぼ同じ。競技場間の移動が最長でも1時間以内と、史上最もコンパクトなW杯となる。来年1月に開催するアジア杯が、12年後のW杯に向けたスタートとなりそうだ。

 ≪ドーハは「奇跡」と喜び爆発≫カタールの首都ドーハでは2日夜、国旗を手にした市民らが中東で初めての開催に「歴史がつくられた」「奇跡だ」と喜びを爆発させた。市内の公園では大画面で、FIFA理事会の様子を生中継。開催決定が報じられると集まった市民らから大歓声が上がった。カタール在住4年のパレスチナ人デザイナー、ルアイ・ハサブさん(32)は「サッカーが人々の心を一つにし中東に平和が実現してほしい」と期待を示した。

 ▽カタール 中東・アラビア半島東部に位置し、ペルシャ湾に面するカタール半島のほぼ全域を領土とする。面積は秋田県よりもやや狭い1万1427平方キロ。人口約170万人は鹿児島県とほぼ同じ。過去にW杯出場経験はなく。アジア杯は06年の8強が最高。アジア大会は06年に地元開催で初優勝した。石油と天然ガスの資源が豊富で、国内リーグは資金力を背景に有力選手を獲得。過去に元アルゼンチン代表FWバティストゥータ、元ブラジル代表FWロマーリオらもプレーした。

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2010年12月3日のニュース