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18年W杯はロシア!東欧初開催で新時代の幕開け

[ 2010年12月3日 06:00 ]

18年W杯の開催地を発表するFIFAのブラッター会長

 イングランドが本命とみられていた18年の招致レースを、逆転で制したのはロシアだった。旧共産圏で初めてとなるW杯開催が決定。FIFAのブラッター会長による発表を聞くと、招致メンバーは喜びを爆発させた。

 直前の最終プレゼンテーションではプーチン首相が「招致レースが過熱する中で投票者に重圧をかけたくない」と参加を辞退。14年ソチ冬季五輪で招致成功の“切り札”となった政府首脳の不在は他候補地には追い風と受け止められ、スペイン・ポルトガル関係者からは「負けると悟ったとの見方もできる」という声が上がったほどだった。
 しかし、欠席も自信の表れだったのか。ムトコ委員長が壇上から「W杯は西欧で10回開催されているが、東欧ではゼロ。ロシアでの開催でサッカーの新時代が始まる」と支持を訴えると、発表前には遠く離れたモスクワで首相の広報官が「ロシアが選ばれれば首相はチューリヒに向かう用意がある」と明かし、発表を待った。そして歓喜の瞬間。首相はチューリヒ行き飛行機搭乗直前に大会成功へ向け「あらゆる努力を惜しまない」と誓った。
 FIFA理事に対する英紙のおとり取材などで評価を落としたイングランドは過激派テロの危険性も指摘され、スペイン・ポルトガルは景気後退の打撃が懸念として残っていた。プーチン首相を先頭に国家的イベントの遂行力をアピールし続けたロシア。ブラッター会長が「単なる国家というより巨大な大陸」と期待を寄せる大国が、サッカーの“新大陸”となる。

 ▼FIFA・ブラッター会長 ロシアを祝福し、健闘を祈る。(カタール開催は)新たな地に入ることになる。アラブ世界は待ち続けていた。FIFA会長としてサッカーの発展を考えると、とても満足だ。

 ▼イングランド招致委・ベッカム 大変残念だ。招致計画は良かったし、やれることはすべてやった。今はいろんな感情が渦巻いている。

 ▽ロシア 欧州とアジアにまたがるユーラシア大陸北部に位置し、東西に広がる1707万平方キロの広大な面積は世界最大。サッカーでは旧ソ連時代を含めて9回W杯に出場し、66年大会で4位に入った。欧州選手権では60年大会に優勝しているが、最近ではヒディンク監督の下で08年に4強入りし、活躍を踏み台にFWアルシャビンはアーセナル入りした。04~05年にCSKAモスクワ、07~08年にゼニトがUEFA杯(現欧州リーグ)で優勝するなどクラブの躍進も目立ち、CSKAモスクワには日本代表MF本田が在籍している。

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2010年12月3日のニュース