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愛里咲8位入賞!「ソチでメダル」への序章

[ 2010年2月15日 06:00 ]

決勝を滑り終え笑顔を見せる村田

 【モーグル女子決勝】今どきのギャルメークを施した19歳の表情が、一気にほころんだ。20人中の10番スタート。「Rank1」の表示に村田愛里咲(北翔大)はスキー板を振って喜んだ。「凄くうれしかった」。3位までに用意されるシートの1位の席に収まった感想を、素直に振り返った。

 W杯は今季開幕戦(フィンランド・スオム)の15位が最高成績。14年ソチ五輪の秘密兵器には、「自己ベストを出そうと」臨んだ経験の場だった。だが、予選を上村に次ぐ日本勢2番手の11位で通過した勢いは衰えない。第1エアのヘリコプターは「ちょっと乱れた」が、苦手のターンで確実にコブをとらえ、第2エアのバックフリップ(後方宙返り)はしっかり決めた。23・22点は自己ベスト。「入賞なんて全然、思っていなかった」と驚いた。
 4年後を期待される最大の才能が、エアの技術だ。スキー不毛の地、福岡・北九州市出身。叔父の影響で小学生からスキーを始め、冬・春休みには長野、北海道に出掛けた。そのころは怖くてエアを跳ぶこともしなかったが、中学での運命的な出会いが村田を変えた。
 本格的にモーグルを始めると、北海道に住む工藤哲史氏を紹介された。88年カルガリー五輪で11位に入ったエアリアル代表。エアのみで競うエアリアルの専門家のもとで技を磨いた。今大会は封印したが、女子では珍しい大技、フルツイスト(伸身後方1回転1回ひねり)を身に付けた。
 北海道尚志学園高にモーグル留学後は、08年全日本選手権のデュアルモーグルで上村を破って優勝するなど才能を開花させ、昨季はW杯のルーキー・オブ・ザ・イヤーも獲得した。「初五輪は凄く楽しく滑れました。4年後も、これからトレーニングを重ねて頑張りたい」。入賞というご褒美は、19歳の希望と期待を大きく膨らませた。

 ◆村田 愛里咲(むらた・ありさ)1990年(平2)10月17日、福岡・北九州市生まれの19歳。小学生からスキーに親しみ、洞北中から本格的にモーグルを始める。北海道尚志学園高にモーグル留学後に才能が開花し、1年で全日本選手権3位、08年2月の猪苗代大会でW杯デビューし、同年3月の全日本選手権デュアルモーグル優勝。W杯最高成績は今季開幕戦の15位。1メートル51、48キロ。家族は父・常明さん(49)母・俊子さん(48)兄・幸輝さん(21)弟・優太郎さん(11)。

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2010年2月15日のニュース