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「愛子の母親になれてよかった」圭子さん号泣

[ 2010年2月15日 06:00 ]

決勝を滑り終えた上村を待つ母(中央)ら関係者

 愛子の母親になれてよかった――。13日(日本時間14日)のバンクーバー五輪女子モーグルに出場した上村愛子(30=北野建設)の母・圭子さん(58)は現地のスタンドで応援。女手一つで育ててきた愛娘は4位と悲願のメダルにまたも届かなかったが、五輪4大会連続入賞を「本当に頑張った」と称えた。また、上村の夫でアルペンスキー代表の皆川賢太郎(32=竹村総合設備)は国内でテレビ観戦。重圧と戦った妻をねぎらい、出場する27日(同28日)の男子回転へ気持ちを奮い立たせた。

 レース直後はしばらく号泣して動けなかった上村の母・圭子さん(58)。取材を終えて引き揚げる上村を見つけると「良かったよ~」と声を掛けた。取材エリア越しに母の姿が目に入ると、上村は泣き顔からすぐに笑顔に変わった。メダルには届かなかったが、圭子さんには十分のレースだった。
 「凄く満足しています。きょうの試合も、今までのことすべても、本当に頑張った、と言ってあげたい」
 レース後のドーピング検査が長引いて上村がなかなか出てこなかったため渡せなかったが、プレゼントを用意していた。いつも誕生日には花束を贈ってくれる上村に、圭子さんは大好きな黄色のチューリップの花束を購入。4年前は紙皿に金色の紙を張った手作りの金メダルを贈ったが、今回は家族や友人たちの寄せ書きを首にかけられるように細工した特製メダルも準備していた。結果がどうあれ、娘の頑張りを称えたかった。
 上村が所属する北野建設の寮母として働く圭子さん。上村が苦しでいる時は「神様は乗り越えられない試練は与えない」と言って励ましてきた。今後もその関係は変わらない。「順位も1つずつ上げてゆっくり成長してきた人。今後は本人がゆっくり考えると思う。これからもやりたいことをしっかり応援したい」とこれからも最高の応援団であり続けるつもりだ。
 もう1人の上村の心の支えである、アルペン代表の夫・皆川賢太郎(32)は「とにかくお疲れさまと言いたいです。よく頑張ったと思います」とねぎらった。「小心者」という上村を「愛子はちゃんとやっているから」と鼓舞してきた。この日は新潟県湯沢町の実家でテレビ観戦。メダルには届かなかったが「世界のトップレベルになると、その日にどの選手が“晴れる”か、結果は天気みたいなもの。メダルを獲った選手も彼女(上村)も最高の滑りを見せた」とコメントした。
 15日に最終調整地カナダ・カルガリーへ出発し、27日に男子回転に出場する。「愛子もきちんとゴールして結果を残したので、自分も200%の力を出して良い成績を残したいと思います」。最愛の妻に負けない活躍を誓った。

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2010年2月15日のニュース