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日の丸飛行隊、惨敗…大貴15位が最高、葛西は17位

[ 2010年2月15日 06:00 ]

15位に終わった伊東

 バンクーバー五輪・個人ノーマルヒル(HS106メートル、K点95メートル)決勝が13日、ウィスラー五輪公園で行われ、日本勢は伊東大貴(24=雪印)が15位に入ったのが最高で、6大会連続出場のベテラン葛西紀明(37=土屋ホーム)は17位だった。1回目34位の竹内択(22=北野建設)と37位の栃本翔平(20=雪印)は上位30人による2回目に進めなかった。W杯総合首位のシモン・アマン(28=スイス)が個人種目最多タイの3つ目の金メダルを獲得した。

 惨敗だった。エース伊東は15位に沈んだ。緩い追い風の中での1回目に100・5メートルで10位につけた。2回目も3ケタの大台まで飛んだ。だが上位勢はさらに遠くまで飛び、順位は5つ落ちた。
 「できることはやったが、少しの差で凄く順位を落とした。結果は残念」と唇をかんだ。踏み切りで力を爆発させる飛び方から滑らかに飛び出して助走速度を殺さずに進むスタイルに変更し昨年12月のW杯で4季ぶりの表彰台に立ったが、直後に体調を崩し、その後も調子が戻らなかった。
 金メダルを目指して6度目の五輪出場を果たしたベテラン葛西も不本意な17位。「完ぺきなジャンプを求めすぎた。ようやくアプローチに乗れるようになったが…」。1月の国内大会9戦で4勝した勢いはなかった。ウィスラー入りしてから初めて助走路で「いい位置に乗れた」。だが手応えとは裏腹に2回とも100メートル前後にとどまった。
 直前の米ソルトレークシティー合宿で、飛ぶ機会の少ないノーマルヒルを各選手が25~28本も飛んで対策を練ったが、突貫工事にすぎなかった。カリ・ユリアンティラ・ヘッドコーチ(56)は「結果だけ見ればがっかりするが(伊東)大貴は2本とも最悪の風だった。ちょっとの違いで上位に行けた」と不運を強調しながら「(上位は)肉体、精神、技術の3つすべてがそろっている」と力の差を認めた。ノーマルヒルは3大会連続で入賞者なしとなった。
 残すは19、20日の個人ラージヒルと22日の団体戦。伊東は「ジャンプの内容はラージヒルにつながると思う」と前を向いた。葛西もラージヒルに向け「この悔しさをぶつけたい」。今回メンバーから外れた切り札の岡部孝信(39=雪印)はラージヒル一本に狙いを定め調整を進めている。日の丸飛行隊が汚名返上に燃えている。

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2010年2月15日のニュース