【1995年１月】ゆずれない願い／田村直美　アニメ主題歌はロックでミリオンセラー

　★95年１月ランキング★
１　ＣＲＡＺＹ　ＧＯＮＮＡ　ＣＲＡＺＹ／ＴＲＦ
２　カローラIIにのって／小沢健二
３　Ｔｏｍｏｒｒｏｗ　ｎｅｖｅｒ　ｋｎｏｗｓ／Ｍｒ．Ｃｈｉｌｄｒｅｎ
４　あなたを感じていた／ＺＡＲＤ
５　たぶんオーライ／ＳＭＡＰ
６　everybody　goes―秩序のない現代にドロップキック／Mr.Children
７　ゆずれない願い／田村直美
８　晴天を誉めるなら夕暮れを待て／ＡＳＫＡ
９　息子／奥田民生
10　ロード～第三章／ＴＨＥ 虎舞竜
注目ＨＥＲＯ／中山美穂
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【ゆずれない願い／田村直美】

　周囲には冒険と映ったが、本人は自分の中にあって、眠っていたものを表現した形となった。

　田村直美が歌ったテレビアニメ「魔法騎士レイアース」の主題歌、「ゆずれない願い」は、イントロから独特の高音を生かしたアカペラからスタート。軽快なロックのリズムに明るく希望に満ちた歌詞が乗って、子どもはもとより大人にまで支持され、大ヒット。バンド時代からそのボーカルの実力は認められながらも、大きなヒットに恵まれなかった田村だが、９４年１１月のリリース以降、ロングセラーとなり最終的に１２０万枚のＣＤをセールス。その年の紅白歌合戦にまで出場した。

　曲を作る前のことだった。田村がＤＪを務めていたラジオ番組で子どもの頃に影響を受けたアニメ・ソングを特集する企画があった。あらためて聞き直してみると発見があった。「昔のアニメ主題歌ってロックの要素もかなり含まれている」。「レイアース」の主題歌はコテコテのアニメ風のサウンドにしようと考えていた。ところが、ロック一本でやってきた田村にとってそれは無理があった。壁に当たったところで、自分の基本線であるロックでやってみよう方向転換。生まれたのが「ゆずれない願い」だった。

　８６年に名古屋で結成されたロックバンド「ＰＥＡＲＬ」のリードボーカル「ＳＨＯ―ＴＡ」として、８７年にメジャーデビュー。バンドを解散し、ソロ活動に。「ＳＨＯ―ＴＡ」の名前も封印し、本名で勝負に出た。「作品を等身大の自分に近づけたかったから」というのがその理由だった。

　再度バンドを結成したり、クラシックに歌詞を付けて、ポップス風に編曲したアルバムを出したりと、日々変化していく好奇心のままに音楽活動を続けている。