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【1989年1月】愛が止まらない/Wink 突然超人気アイドルに 年末は2人でダウン

[ 2012年1月22日 06:00 ]

★89年1月ランキング★
1 恋一夜/工藤静香
2 とんぼ/長渕剛
3 愛が止まらない/Wink
4 秋/男闘呼組
5 酒よ/吉幾三
6 目を閉じておいでよ/バービーボーイズ
7 剣の舞/光GENJI
8 愛しすぎて/田原俊彦
9 Witches/中山美穂
10 ホンキを出して/酒井法子
注目Indigo Waltz/久保田利伸
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【愛が止まらない/Wink】
 泣かず飛ばずもいいところ、見向きもされなかった女性デュオが3作目にして2人同時に過労で倒れるほどの、超人気アイドルとなった。

 男性雑誌のミスコンで春のグランプリを獲った鈴木早智子と秋のそれを受賞した相田翔子が、声の質が似ているということで結成された「Wink」。88年4月にデビューし、3枚目のシングル「愛が止まらない」が大ヒット。ランキングを徐々に上げて、年が明け、年号が平成になると、ベストテン入り。シングルの売り上げは計66万枚を記録した。

 オーストラリア出身の歌手カイリー・ミノーグのアルバムの曲をカバー。当時、絶大な人気を誇った人気女優であり歌手の南野陽子主演のドラマ「追いかけたいの」(フジ)の主題歌だった。ノリのいい曲ながら、その割に無表情で歌う2人の姿が印象的で、テレビ出演を機に火が付いた。

 平成に入り、昭和のアイドルも人気やCDの売り上げという点ではかげりを見せ始めていた中でのWinkの存在はまぶしく、「愛が…」のヒットがきっかけで、出す曲が軒並み売れた。そのクライマックスが89年7月発売の5枚目のシングル「淋しい熱帯魚」。この曲で日本レコード大賞をはじめ、演歌歌手が強かった有線大賞も受賞。平成元年はWinkの年といわれるほどだった。

 特にレコ大では、この年亡くなった美空ひばりさんの「川の流れのように」が受賞すると誰もが思っていたが、結局は41票対23票でWinkが受賞。会場には美空さんの息子まで姿をみせ、受賞間違いなしの雰囲気だったが、審査員から出た言葉が「新しい時代には、新しい歌手を」というものだった。

 レコ大を受賞した12月。Winkのスケジュールは毎日埋まっていた。コンサートツアー中に、番組の収録、各賞の本番と授賞式など、秒刻みだった。12月15日には、有線大賞受賞後過労で2人そろってダウン。ドクターストップがかかり、コンサート中止、テレビ出演キャンセルとなった。

 その後も点滴を打ちながらのステージ、舞台のそでには医師と看護師が控えるという事態が続き、大みそかのレコ大受賞、紅白歌合戦初出場でようやく終わった。つい1年ちょっと前までスケジュール真っ白だった2人は考えられない平成の幕開けだった。

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