365日 あの頃ヒット曲ランキング 1月

【1979年1月】ガンダーラ/ゴダイゴ 玄人受けのバンドが一気に人気バンドに

[ 2012年1月15日 06:00 ]

 ★79年1月ランキング★
1 カメレオン・アーミー/ピンク・レディー
2 いい日旅立ち/山口百恵
3 チャンピオン/アリス
4 ガンダーラ/ゴダイゴ
5 青葉城恋唄/さとう宗幸
6 北国の春/千昌夫
7 性/ツイスト
8 夢想花/円広志
9 モンキー・マジック/ゴダイゴ
10 季節の中で/松山千春
注目HERO(ヒーローになる時、それは今)/甲斐バンド
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【ガンダーラ/ゴダイゴ】

 日本人3人に外国人2人のバンドは、3年目にして初めて日本語訳の歌詞を歌った。

 結成3年目の「ゴダイゴ」がこれまで手掛けてきたものは、事務所社長の夫人である奈良橋陽子の英語の詞ばかり。CMソング、映画「キタキツネ物語」のサントラなどで業界関係や音楽仲間の間では評価は高かったが、少しマニアックなにおいがして、いわゆる一般のヒットチャートに乗る類のものは歌ってこなかった。

 そこへ舞い込んだのが日本テレビの開局25周年ドラマ「西遊記」の音楽担当の話。オープニング、エンディングだけでなく、サントラまでお願いするというものだった。しかし、今度は日本語の歌詞を歌う必要があった。ヒット曲は欲しかったが、自らを曲げてまで…という考えがあったゴダイゴだったが、彼らの日本のバンドとは一線を画した、エキゾチックな魅力が認められてのオファーだった。

 レコード売り上げ87万枚を記録した「ガンダーラ」は、エンディングテーマ。オープニングですべて英語の歌詞でリズミカルな「モンキー・マジック」とは対照的に、メーンボーカルのタケカワユキヒデの落ち着いたテンポの声は、三蔵法師一行が目指す天竺に思いをはせるのにピッタリの曲だった。

 「西遊記」自体も芸達者な堺正章の孫悟空を筆頭に、夏目雅子ら個性的な出演者が集まったが、この2曲が視聴者に与えたインパクトは強く、当時のアンケートでは「始まりと終わりのゴダイゴの歌を聞きたいから最後まで見ている」という回答も多かった。

 TBS「ザ・ベストテン」をはじめ、「ガンダーラ」と「モンキー・マジック」が2曲ベストテン内にランキングされることも珍しくなく、これまで玄人好みだったゴダイゴが一気にポピュラーな存在になり、とりわけ年齢の低い層に受け入れられた。続く国際児童年協賛歌でNHK「みんなのうた」でも流れた「ビューティフル・ネーム」、夏には大ヒットアニメ映画「銀河鉄道999」と、ヒットチャート上位をばく進。一気に人気バンドとなった。

 年末にはドキュメンタリー映画まで上映されたが、ブームはこの79年限りで終息。その後、ベースのスティーブ・フォックスがキリスト教の宣教師になるために脱退するなどして、80年に解散。06年に再結成し、マイペース名活動を続けている。

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