橋下徹氏 元徴用工、韓国側の“肩代わり案”に「いくつかのポイントを押さえた上で僕は大賛成」

[ 2023年1月15日 18:37 ]

元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏
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 元大阪市長で弁護士の橋下徹氏(53)が15日、フジテレビ「日曜報道 THE PRIME」(日曜前7・30)に出演。日韓対立を招いている元徴用工訴訟問題について言及した。

 韓国外務省が12日の公開討論会で、日本企業の賠償支払いを韓国財団が肩代わりする解決案を公表。韓国政府は国内世論や日本側の反応を見極めた上で、同案を軸に解決方式を決定する構えを見せる。日本政府は、13日の日韓外相電話会談の結果を踏まえ、政府間協議を通じて同案への意見を韓国側に伝えるとみられる。解決案については、決着済みの問題を蒸し返されたと反発する日本政府の立場に寄り添った内容だとの見方が、韓国側で広がっているが、原告支援団体などからは失望の声も上がっている。林芳正外相が電話会談で解決案の賛否に言及したかどうかは不明。

 橋下氏は、韓国財団の肩代わり案について「いくつかのポイントを押さえた上で僕は大賛成です。これをしっかり政治は進めてもらいたいと思いますね」と言い、その理由を「日韓の間での歴史認識問題、これ一致することは絶対にありません。もうないです。ただ相手をののしったりとか、韓国の問題だということで突き放すようなことは、日韓、特に日本の安全保障のことを考えれば良くない。歴史認識では一致しない、お互いの主張をぶつけ合ったとしても、日本国民の安全を守るために、僕は日韓がきちっと安全保障でタッグを組むべきだと思っています」と話した。そして、「尹政権、僕は日本に対するメッセージ、姿勢、すごいと感じます。最後は政治家の知恵で、なんとか日韓関係をまとめてもらいたいなと」とした。

 その上で「この肩代わり案が重要なポイントになると思うんですけども、1つポイントは、日本政府ないしは日本の政治家がこの肩代わり案を批判するのは、肩代わりということはいったん日本企業の債務、責任をいったん認めなきゃいけないんですよ。日本の立場は1965年の請求権協定で(日本の企業が賠償する責任は)何にもないと。だから日本の政治家は何にもないんだから後は韓国で解決しろって突き放しているんだけれども」と持論を展開し、「僕はここ、日本企業の責任を認めるかどうかっていうところで法的な強制力のある責任というものはない、これはもう当たり前の話です。ただ2007年に日本の最高裁判決がありまして、これは中国人労働者の判決なんですけれども、法的な強制力のある請求権はもう日中の間での平和条約でないけれども、法的な強制力がない、いわゆる責任自体はあるんだよっていうのは、2007年の最高裁判決であるんですよ」と説明。「何それ、法的な強制力のある責任と強制力のない責任は何っていったら、強制力のない責任というのは、あとは自分の心次第で払うかどうかを決めればいいという責任。要はそういう責任は認めた上で、それを肩代わりして韓国の財団に払ってもらう。だから日本は別に払う必要がなくて、いったんそういう法的な強制力のある責任じゃない、違う責任は認め上で肩代わりして払ってもらうという。だから責任があるや、なしやってところで全くなしということで突き放すことは僕はやるべきではないと思います」と自身の考えを述べた。

 さらに「ただ肩代わり案で1番問題なのは、財団が肩代わりした後、求償権というものが法的には発生するんですよ。肩代わりした時のこの求償権というところは、絶対にここは否定しなければいけない。だからあくまでも法的な枠組みの中で解決しないといけないから、この求償権というところは絶対に否定しなければいけませんが、いったん日本企業の責任というものは、法的な強制力のある責任は認めないけれども、そうではない強制力のない責任までは認めるっていうのが、これは日本の最高裁の判決もあるから僕はそこは認めるべきだと」と主張し、「後はお金の問題。韓国の財団は出すっていうところで、韓国、特に被害者側の方は日本の企業も出せとか、日本政府が出せって言うんですけども、1つこれはねえ、(ゲスト出演の自民党の)佐藤さん(正久参議院議員)に検討してもらいたいやり方があるんです。今、日本政府は絶対に出さない、出さないって言うんですけど、日韓請求権協定で1回払っている5億ドル、この一部を回せばいいんです」と説明。具体的には「日韓請求権協定の5億ドルの枠組みの中で全部解決するってことであれば、日本はさらなる持ち出しをやらないから。これね、日本政府が韓国に払ったんですけれども、韓国の被害者側の言い分は自分たちには回ってきてないと。確かにこの5億ドルは韓国政府は国内の経済を活性化するために、朴正煕政権が経済の方に使っちゃってるんですよ。それで韓国の経済が成長したのは間違いないから、僕はこの5億ドル、韓国が成長したんだったら、それはそれで使い方としてよかったと思うんだけど、今となっては、この5億ドルの一部を財団の方に回すというやり方をやれば」とし、「経済成長した後の企業からお金が入ってくるのもいいし、ただそれだと韓国の企業だけが払っているということになって、被害者の韓国側の方が納得できないっていうんだったら、1度この5億ドルの一部を回せば、日本の政府もお金入れたことになるんでね。これ5億ドルの中で回すってことで僕は十分だと思う」と提案した。

 これにフジテレビ解説委員の松山俊行氏が「1965年にすでに清算金として払っているということですけど、日本としては完全に韓国の国内問題だというスタンスを現在とっているわけで、求償権を放棄するというのは最低限の条件と日本政府も考えていると思うんですけども、それ以外にも例えば今回の原告の支援団体が、今回出てきた韓国財団による肩代わり案、このことについても反対しているという状況を考えると、まだ韓国の国内で今後どうなっていくかって分からない部分もあるということを考えると、やっぱり韓国側の出方をもう少し見極めないと、というところもあると思うんですよね」という意見を言うと、橋下氏は「ただ尹政権もね、国内の中であれだけ反発ある中で謝罪は求めない、直接の日本企業からの賠償金も求めないというところまで言ってくれている以上は、僕はもしこれをやるんだったら求償権を否定する代わりにこの5億ドルのうちの一部、そういうことも考えるよくらいのメッセージを出して何とかここをまとめてもらいたいなと思う」と自身の考えを述べた。

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