「どうする家康」義元の首を槍投げ 重量なんの一発決め!演出も感動 ネット反響“岡田信長”初登場の裏側

[ 2023年1月15日 10:00 ]

大河ドラマ「どうする家康」。大高城へ向かう織田信長(岡田准一)(C)NHK
Photo By 提供写真

 嵐の松本潤(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「どうする家康」(日曜後8・00)は今月8日、初回を迎え、特に大きな話題を集めたのがV6の岡田准一(42)演じる織田信長。初回の演出を担当した加藤拓監督に、岡田の魅力や凄さ、撮影の舞台裏を聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 「リーガル・ハイ」「コンフィデンスマンJP」シリーズなどのヒット作を生み続ける古沢良太氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ62作目。弱小国・三河の主は、いかにして戦国の世を生き抜き、天下統一を成し遂げたのか。江戸幕府初代将軍を単独主役にした大河は1983年「徳川家康」以来、実に40年ぶり。令和版にアップデートした新たな家康像を描く。古沢氏は大河脚本初挑戦。松本は大河“初出演”にして初主演となる。

 第1回は「どうする桶狭間」。サブタイトル通り、初回から「桶狭間の戦い」(永禄3年、1560年)が描かれ、今川義元(野村萬斎)が討ち死に。織田信長(岡田)は義元の首を槍にぶら下げ、進軍。馬上から天高く槍を放り投げた。

 大高城への兵糧入れに成功した松平元康(松本)だったが、信長進軍の報に「来る…」。少年時代、信長に投げ飛ばされた苦い記憶がよみがえり、恐怖のあまりガタガタと震えが止まらない。

 信長が投げた槍は地面に突き刺さり、義元の首は野ざらし。そこにカラスが止まる。

 元康は「あの男は、まともではない!わしゃ、よう知っとる。あれは獣じゃ、飢えた狼じゃ!」と戦慄。馬上の信長は「待ってろよ、竹千代。俺の白兎」と不敵な笑み――。元康はパニックに陥り「どうしたらええんじゃー!」と絶叫。いきなり大ピンチに陥った。

 登場シーンは合計約1分ながら、視聴者も元康と同じく恐怖。オンエア終了後(午後10時)、ツイッターの世界トレンド3位に「俺の白兎」、14位に「岡田信長」が入る大反響を呼んだ。

 台本のト書きに槍投げの指定はなく、演出統括・加藤氏のアイデア。「戦国時代の革命児である織田信長が現状を打破する象徴的なアクションとして、当時武家文化の最高峰であった今川義元の首で天を射抜く表現を考えました」と狙いを説明。撮影秘話を明かし、岡田の驚異的な身体能力と精神力を絶賛してやまない。

 「義元の首を穂先に括り付けた槍、とても重いんです。それを走る馬上から鋭く投げる、しかもカッコよく。スタッフで試しに持ってみたら『こんなの、実際投げられるの?』という感じでした。それを一発で…プロフェッショナル・岡田准一さんだからできたことだと思います。あのシーンはかなり特殊な撮り方をしていて、カメラワークや槍の角度など様々な注文があったんですが、それを平然と受け止め、冷徹と狂気をはらんだ信長登場シーンを出現させてくれた演技にはシンプルに感動しました。『普通じゃない撮り方をしているんだから、普通じゃない絵ができるんだよね』と言って軽々と予想を超えるモーションを繰り出すスキルとスピリットは本当に凄いですよね。槍を鋭く投げるために馬上で限界まで体を反らせる、そして、どの一瞬を切り取っても美しい。その場にいたスタッフを一瞬で惹きつけました。誰もがそこを見ずにはいられない、まさに織田信長の出現だったと思います」

 2007年のドラマ「SP 警視庁警備部警護課第四係」の構想段階から本格的に格闘技を習いだした岡田。棒やナイフを使うフィリピン武術「カリ」、香港のアクションスター、ブルース・リーが創始した「ジークンドー」、総合格闘技「修斗」のインストラクター資格を持つ。映画「ザ・ファブル」シリーズ(19、21年)、「ヘルドッグス」(22年)でも壮絶なアクションシーンを披露した。

 加藤監督は「岡田さんは武術、アクションに精通していて、それが画面にどう映るかもすべて見えている。初回にも少し出てきましたが、織田家の人質だった頃の家康を信長は知っています。少年時代の家康を演じる川口和空さんのアクション練習にも、岡田さんはじっくりと、何度も何度も付き合ってくれました。とても包容力があって、ドラマを良くするための提案を全く惜しまない」と感謝。「今回の織田信長にも、そういう岡田さん自身の魅力があふれているんではないでしょうか。人を寄せ付けない集中力と、人を魅了せずにはいられない包容力、岡田さんのいる撮影現場は安心感と緊張感が心地よく混ざり合っている感じがします」と評した。

 今後も“岡田信長”の一挙手一投足に恐れおののきたい。

続きを表示

この記事のフォト

2023年1月15日のニュース