紀藤弁護士 山上容疑者自殺未遂も母は修行続行の伯父証言に「教会は帰れ、でなく信仰足りないと責める」

[ 2022年7月15日 18:44 ]

 宗教や霊感商法をめぐる法律問題に詳しい紀藤正樹弁護士が15日、読売系「情報ライブ ミヤネ屋」に出演。安倍晋三元首相の銃撃事件で、この日、無職山上徹也容疑者(41)=殺人容疑で送検=の伯父が報道陣の取材に応じ語ったことなどを受け、考えを語った。

 山上容疑者は、母が入信した世界平和統一家庭連合(旧統一教会)によって「人生と家族がめちゃくちゃになった」と恨みを募らせ、安倍元首相が同教団の関連NGO団体・UPF(天宙平和連合)に向けメッセージを送る動画を見て、殺害を決意したと供述。同教団に注目が集まっている。

 母親の知人によると、山上容疑者の母は「息子が大変なことをして申し訳ない。原因を作ったのは自分であって申し訳ない」と語っているという。同教団を退会していない母親のこの言葉について、紀藤氏は「信者は“自分の責任”“自分が悪い”“宗教的にまだやることがあるのにできていない自分が悪い”と言い、教会の責任には絶対にしない。信仰が深いほどそういう発想になる」と指摘した。

 伯父の証言では、山上容疑者は2005年1月に自殺未遂。「教会によって生活困窮した兄、妹に死亡保険金を渡すためだった」と伯父は説明した。伯父は当時、すぐ母親に連絡したが、教会の行事で韓国に滞在。息子の事態を知っても早期帰国することはなかったという。

 同教団の元信者から多数の相談を受け、訴訟などを担ってきた紀藤氏は、「教会は“帰ったほうがいい”ではなく“あなたの信仰が足りないから起きた”と責める。お母さんは“修行しないと息子さんはもっとひどくなる”などと言われたように私は思う」と推測。「不幸の連鎖を解いて、より良い方向に向かわせるのが本来あるべき宗教だと思うが、恐怖信仰の中にある団体に入ってしまうと、逆になる。より強い信仰を求められ、果てにはお金を出すことにつながっていく」と話した。

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2022年7月15日のニュース