高岩淡さん死去 90歳 映画界から悲しみの声 姪・檀ふみは感謝「骨の随まで映画人でした」

[ 2021年11月1日 12:00 ]

高岩淡さん
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 東映の元社長で、長く日本アカデミー賞協会の会長も務めた高岩淡(たかいわ・たん)さんが10月28日午後2時23分、肺炎のため京都市の病院で死去した。90歳。福岡県出身。葬儀は家族葬で済ませた。喪主は長男・高岩礼(れい)氏。後日お別れの会を予定している。

 作家の檀一雄氏は異父兄。女優の檀ふみは姪(めい)にあたる。檀ふみは、高岩さんの訃報に際し「骨の随まで映画人でした。晩年は、自分が関わった時代劇をテレビで見つけては懐かしがっていたそうです。私が俳優となってからは、どこへ行っても誰と会っても、『高岩淡さんの姪御さん!?』『お世話になりました』『素晴らしい方ね』と、笑顔で迎えられました。そんな叔父を持ったことを誇りに思っております。いくら感謝しても、感謝しきれません」と追悼した。

 ▼岩下志麻(女優) 謹んでお悔やみ申し上げます。高岩淡さんには、「極道の妻たち」シリーズで、大変お世話になりました。怒ったお顔を拝見したことがなく、いつも穏やかで優しい、心の温かい方でした。心からご冥福をお祈り申し上げます。

 ▼名取裕子(女優) 義理と人情に篤く、映画界、映画に関わる人達を分け隔てなく大切にする真の映画人だったと思います。暖かい大きな心に守られて、作品を作れたこと、楽しい仕事が出来ましたこと、海外の映画祭にご一緒していろんな国の方と心通わせたこと、その場にご一緒できて全て感謝しかありません。大きな声と弾ける笑顔と豪快な食欲と、そして何より繊細な優しさを持ち続けた愛の人であることを忘れません。これからはみんなの心の中で、生き続けてくださいね。ご冥福をお祈りします。

 ▼松坂慶子(女優) 高岩淡さまが東映京都撮影所所長でいらっしゃった時の作品「青春の門」で、たえを演じさせていただきましたのが、初めての出会いでした。スケールの大きな、そして温かいお人柄で、みんなに愛される撮影所の太陽のような方でした。私がしゅんとしてた時、「慶子ちゃん、困った時は…笑ったらええんや」と、励まして背中を押してくださったことをあの笑顔とともに懐かしく思い出します。お別れは悲しいですが、胸がいっぱいですが、みんなから愛された高岩淡さまのご冥福を心からお祈り申し上げます。

 ▼中井貴一(俳優) また日本映画の昭和史、変遷を知る先輩が、空の向こう側へ旅立たれました。高岩さんとは「激動の1750日」という、任侠映画の撮影の折、ご一緒させて頂き、仕事以外も撮影中何度も京都のおいしいお店、そして、粋な遊びも教えて頂きました。先輩の死に接する度、後は頼むよ…と、大きなバトンを手渡されたような気がいたします。激動の昭和という時代から、平成、令和と、90歳までの生涯を貫かれた高岩さん、お見事です。心より、ご冥福をお祈り致します。

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