囲碁の井山裕太七冠 国民栄誉賞決定に「好きでずっとやってきて評価して頂けたことは少し感慨深い」

[ 2018年1月5日 16:57 ]

正式に国民栄誉賞受賞が決まり、大阪市内で会見する井山裕太七冠
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 囲碁の井山裕太七冠(28)が5日、国民栄誉賞授与の正式決定を受けて大阪市内で会見した。「棋士としても人間としてもまだまだこれから。皆さんのご期待に添える棋士になれるよう頑張りたい」と、謙虚に語った。

 国民栄誉賞といえば、「第1号(受賞者)の王貞治さんのように、選手としての記録だけでなく球界を超えた存在で、人柄も含め誰からも尊敬される人が受賞するイメージがある」と語った井山。自身の名が並ぶことに「想像した事もなかった。信じられないし、戸惑いもある」と吐露したが、「小さい頃に夢中になるものに出合え、好きでずっとやってきて評価して頂けた事は少し感慨深い」。会見に同席した師匠・石井邦生九段(76)へ「恩返しができたのではないかな」と、顔をほころばせた。

 2度の七冠に輝く活躍が評価されたが、「究極の目標は世界一」とあらためて宣言。2月に決勝を控えるLG杯朝鮮日報棋王戦を「大きなチャンス」と見据えた。世界制覇の前にもらった国民栄誉賞を「今後に期待していただいた賞だと解釈し、何とかいい戦いをして結果を出したい」と意気込んだ。

 また、残り4つの永世称号を獲得して囲碁界での永世七冠達成を期待する声には、「大きなモチベーションではある。結果を残し続けないとたどりつけないので、大きな目標です」と返答。だが、「あまり長期的な目標を立てすぎると自分自身、厳しくなってくるので、まずはこれまで通り目の前の1局に全力を尽くしたい」と力みすぎない姿勢を強調した。

 座右の銘は、イチロー(44)の言葉「小さい事を積み重ねることが、とんでもないところに行くただ一つの道」。あこがれの人も手にしていない国民栄誉賞に輝き、“イチロー超え”と指摘されると、「現役の間は(賞を受けない)、とお話しされていると伺っていて、そのあたりもイチロー選手らしい。“超え”という意識は全くないです」と苦笑い。イチローについて、今回国民栄誉賞を同時受賞した羽生善治永世七冠(47)と「ダブるところがある」と切り出し、「あれだけ実績を残されながらも現状に満足せず今も現役で長く活躍されているのは、プロとして理想の姿。これからも大きな目標としたい」と敬意を示していた。

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2018年1月5日のニュース