ソフトバンク・和田が歩む復活ロード 2軍戦で手応え十分の75球 視察した小久保監督「今年一番」

[ 2024年4月11日 06:00 ]

<ウエスタン ソ・オ>6回4安打無失点の好投を見せた和田   (撮影・成瀬 徹)
Photo By スポニチ

 1軍マウンドでの快投へ大きな第一歩――。ソフトバンクの和田毅投手(43)が10日、ウエスタン・リーグのオリックス戦(タマスタ筑後)で実戦復帰し、6回を4安打無失点に抑えた。左手中指にできたマメの影響で内定していた2日の本拠地開幕戦(対ロッテ)を回避していたが、小久保裕紀監督(52)も見守る中で手応え十分の投球。今季も頼もしい投球を見せるべく万全の状態を整えていく。

 確かな手応えに笑みもこぼれた。和田が実戦復帰のマウンドで完全復活への第一歩を踏み出す投球を見せた。

 4回2死まで一人の走者も許さなかった。最速143キロをマークした直球の走りも良く、6回を4安打無四球無失点に抑え、6三振を奪った。球数は75球だった。「一番いいときに比べたらまだまだですけど、勝負できるボールは増えてきている。勝負できる形ができつつあると感じました」。充実した表情でポジティブな言葉を口にした。

 ここまで思うような投球ができずに苦しんできた。昨季はチーム2位の8勝をマーク。小久保監督から早々に4月2日の本拠地開幕戦の先発を託されていた。しかし、1月の自主トレ中に左脇の違和感で調整が遅れ、オープン戦で試行錯誤を続けて調整していく中で、左手中指にできたマメの影響で登板回避を余儀なくされた。

 首脳陣と話し合った上での無念の決断だった。「監督から“逆にプレッシャーを与えてしまって申し訳ない”と。そんなことを言わせてしまったことが本当に情けない」と強い悔しさをにじませていた。

 そこから2週間。じっくりとフォームの見直しも行い、復帰登板は上々の再スタートとなった。この日2軍戦を視察に訪れ、左腕の投球を見守った小久保監督も「今年一番、真っすぐも変化球も良かったように見えました。今日1回ですぐ上というのはないですけど、これぐらい投げてくれれば十分に期待できますね」と大きくうなずいた。

 今後は2軍での登板を続けながら臨戦態勢を整えていく。和田は「まだ下で1回しか投げていない。ようやく形ができつつあると思うので、これを続けていかないといけない。上(1軍)は先発がしっかり回っているが、しっかり準備をして選んでもらえるような投球を続けていきたい」と力を込めた。

 まだシーズンは始まったばかり。無理をさせずに再調整の時間をつくった首脳陣も焦らせるつもりはない。百戦錬磨のベテラン左腕が今季もチームの力になってくれそうだ。 (木下 大一)

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2024年4月11日のニュース