楽天・西垣 イップス、病気乗り越えプロ1勝!今江監督、守護神起用示唆 チームも最下位脱出

[ 2024年4月11日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天5―4オリックス ( 2024年4月10日    京セラD )

<オ・楽>プロ初勝利を挙げウイニングボールを手に今江監督(右)から祝福を受ける西垣(撮影・奥 調)
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 4―4で迎えた9回。楽天のマウンドに上がったのは守護神の則本ではなく、3年目右腕の西垣だった。

 「結構緊張するんですけど、なぜか今日はあまり緊張しなかった。冷静に投げられたかなと思います」

 先頭の紅林をこの日最速152キロの直球で空振り三振に仕留めると、巧打者の西川を151キロ直球で中飛に斬り、西野は130キロのスライダーで遊ゴロ。3者凡退で攻撃へのリズムをつくると、直後の延長10回に味方が勝ち越し、うれしいプロ初勝利が転がり込んだ。試合後は記念球を手にしても「リリーフなのでホールドを考えてて、初勝利と言われてもピンとこなかった」。まさに夢見心地の1勝だった。

 1年前はプロ初勝利を想像すらできなかった。昨年4月12日。この日と同じオリックス戦から悪夢が始まった。頓宮に頭部死球を当て危険球退場。イップスに陥り「どこに投げているのか分からない状態で野球ができないと思った」と不安な毎日を過ごした。7月には病院で神経や血管が圧迫され、痛みやしびれを引き起こす「胸部出口症候群」と診断されるなどどん底に。1軍復帰はならなかったが治療を継続した結果、オフは台湾のウインターリーグに参戦できるほどまで回復した。野球をやれる喜びを感じ「なんとか戻ってこられて良かった」と言った。

 接戦に勝利して最下位を脱出した今江監督は「3者凡退で流れを引き寄せた」と評し、則本の連投時を想定し「(西垣は)場面関係なく投げ込めるタイプ。そういうところでも」と孝行息子の守護神起用も示唆。西垣の可能性は無限に広がる。(花里 雄太)

 ◇西垣 雅矢(にしがき・まさや)1999年(平11)6月21日生まれ、兵庫県出身の24歳。報徳学園では3年選抜で4強。早大で4年秋にベストナインに輝き、21年ドラフト6位で楽天入団。1年目の22年3月25日ロッテ戦でプロ初登板。1メートル84、88キロ、右投げ左打ち。

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