広島育成1位・杉田 サプライズ1軍昇格!一日限定“新戦力披露”の場で1回零封「ここからが勝負」

[ 2024年3月10日 05:45 ]

オープン戦   広島2ー2中日 ( 2024年3月9日    マツダ )

<広・中>9回に登板した杉田(撮影・成瀬 徹)
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 広島の育成ドラフト1位・杉田健投手(22=日大国際関係学部)が中日戦で本拠地デビューし、最速147キロで1回無失点に抑えてサプライズ昇格を勝ち取った。今季から加入した「新戦力披露」の場として当初は一日限定の参加。新井貴浩監督(47)から2軍組では1人だけ10日以降の1軍帯同を告げられ、当面の目標とする支配下登録への一歩を踏み出した。

 杉田は温かい拍手に迎えられ、初めて本拠地マウンドに立った。同点の9回に村松を二ゴロ、尾田を遊ゴロ、いずれも直球で押し込んだ。三好への初球には最速147キロ。3球続けた直球を左前打されてもひるまない。二盗で窮地が広がった後、辻本に対して145キロを内角低めに決めて見逃し三振で終えた。計13球のうち9球で直球を投げ込んだ。

 「ブルペンでは緊張していたが、マウンドに行ったら楽しかった。打者のタイミングを外して打ち取るのが持ち味。持ち味を出すことだけを考えて投げた」

 ただの力押しではなく、1球ごとに足の上げ方を変えるなど投球フォームを操った。堂々の本拠地デビューの後、さらに驚きが待っていた。監督室に呼ばれ、「明日から1軍帯同だ」と告げられた。

 「一言で言うと、凄く驚いた。自分の中でやることをやり続けた結果。ここからが勝負なので、悔いがないようにやりたい」

 試合前に新人、移籍組、新外国人が名前を呼ばれてグラウンドに整列。2軍からもドラフト1位・常広(青学大)らが参加し、出場可能な選手たちが起用された。当初の予定では一日だけの顔見せ。2軍から呼ばれた面々では1人だけ正式に昇格が決まった。

 開幕1軍枠を巡る争いが終盤を迎える時期。まだ育成枠の立場でも期待の高さを物語る。新井監督は「いいものを見せてくれた。ファームから“杉田はいいよ”と報告がきていた。今日見た感じで、帯同させたいと思った。支配下を勝ち取ってほしい」と今後のアピールを楽しみにした。

 高校時代は無名。大学でも2年冬に右肘を骨折して手術するなど苦労を重ねてきた。プロ1年目の正月。地元の三島大社での初詣は、おみくじで大吉を引き、運勢の欄には「鍛錬すれば結果は出る」と記されていた。「ここから結果を出していきたい。求められたことができるよう、精いっぱいやりたい」。シンデレラストーリーは突然幕開けした。(長谷川 凡記)

 【杉田 健(すぎた・たける)】
 ☆生まれ&サイズ 2001年(平13)8月28日生まれ。静岡県三島市出身の22歳。1メートル88、83キロ。右投げ右打ち。

 ☆球歴 小学1年の時に佐野小で軟式野球を始める。北上中在学時に三島シニアで硬式。日大三島では2年春からベンチ入りし、甲子園出場なし。日大国際関係学部では右肘故障に悩まされ、4年秋のリーグ戦では6試合(先発5試合)で5勝。

 ☆趣味 アイドルのオタ活。

 ☆好きな芸能人 乃木坂46の岩本蓮加。

 ☆座右の銘 継続は力なり。

 ☆尊敬する人 日大国際関係学部時代の監督、和泉貴樹氏。

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