巨人の未来を担う戸郷&山崎伊 巨人復活へ、令和の江川&西本聖となってくれ

[ 2023年8月20日 08:00 ]

今や巨人の大黒柱へと成長した戸郷
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 巨人の未来を担う両右腕が、順調に勝ち星を伸ばしている。20日現在で、23歳の戸郷がリーグトップタイの10勝。24歳の山崎伊が9勝で続いている。

 「2人で勝ち星の話をすることはあるのか」。先日、ジャイアンツ球場で先発投手練習が行われた際、戸郷に素朴な疑問をぶつけると「めっちゃ言ってますよ。伊織さんは“ずっと待っとけ”って言ってます」と笑った。

 昨季、自身初の2桁12勝を挙げ、初タイトルとなる最多奪三振を獲得した戸郷は、今春のWBCに出場し、決勝の米国戦でトラウトを空振り三振に斬るなど、強力打線を手玉に取った。レギュラーシーズンでも奮闘。ロッテ・佐々木朗、同僚の大勢らWBC組が故障で離脱する中、宝刀のフォークに加え、ダルビッシュ直伝のスライダーの割合も増やし、大黒柱として先発陣を引っ張っている。

 昨季5勝を挙げた大卒3年目の山崎伊は、右肘のじん帯再建術(通称トミー・ジョン手術)から3年が経過し「去年は投げるのがしんどかったけど、腕がなじんできた」。ルーキーイヤーの21年を丸々リハビリに当てるなど、プロの船出は過酷なものだったが、ドラフト2位の名に違わず、故障が癒えて本来のパフォーマンスを発揮。7月には4戦4勝、防御率1・91で自身初の月間MVPにも選出された。

 「僕が2桁勝った時(山崎伊は)まだ8勝だったのかな。2桁決まって“ナイスピッチ”って言ってくれましたけど、めっちゃ逃げていきます」と戸郷。18日の広島戦は6回3失点(自責点1)で勝ち負けがつかなかった。一方、後半戦に入って土曜日の先発を任されていた山崎伊は、22日のヤクルト戦(東京ドーム)からカード初戦を任される見込み。同戦に勝てば自身初の2桁10勝となり、今季初めて戸郷に肩を並べる。

 古くは80年代、江川卓、西本聖の両雄は、ライバル意識をむき出しにして、伝統球団で江川135勝、西本126勝(通算では165勝)の勝ち星を積み上げた。戸郷いわく、2学年上の山崎伊とは「仲いいですよ。データとかいろんな話もしますし、バッティングも聞いたりします。いいピッチングをしているので励みにしながら、一緒に頑張っていけたら」。昭和の時代からは隔世の感がある令和のライバル物語。シーズン終盤、そして、未来へ。両右腕の奮闘が巨人復活の原動力となるだろう。(記者コラム・花里 雄太)

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