【落合×赤ヘル対談】山本浩二氏「法政三羽ガラス」誕生秘話 仕組まれた?野手転向

[ 2023年8月11日 17:10 ]

収録に臨む落合博満氏(左)と山本浩二氏(撮影・沢田明徳)
Photo By スポニチ

 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(69)が11日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。「博満の部屋」の第3回目として、プロ野球歴代4位の通算536本塁打を放ち、“ミスター赤ヘル”と称された山本浩二氏(76)をゲストに招いて対談を行った。

 浩二氏は地元の広島県立廿日市高から法大に進学した。投手として、当時4年生の打撃投手に明け暮れた。そんな中、法大時代の投手としての唯一の公式戦登板となった1965年6月4日、1年春の新人戦、慶大戦(東大球場)を迎えた。

 「新人戦で田淵とバッテリー組んどんのよ。それで先発をして。ワシもいろんな変化球、スライダー、カーブ、フォークなんか持っとんのよ。(それなのに)全部真っ直ぐのサインを出すんだよ、ブチが。それで当然、打たれるわな。結局、4回を1点に抑えたんだけど」と浩二氏。真っすぐのサインしか出ないことで「途中でブチを呼んで“何で真っすぐばかりなんや”と聞いたら、後ろで親父、松永(怜一監督)さんから“真っすぐしか投げさせるな”と」と監督指令だったことを明かした。

 その後、2年春に正式に外野手転向となった浩二氏。「それで松永さんに、富田(勝)と2人でめっちゃくちゃ鍛えられてな。それこそ、全員の練習が終わった後に2人をノックなの。内野と外野で、1球ずつ交互に打ってくるわけ。それが暗くなるまで、ボールに石灰塗ってまでやるわけ。“何でこんなにやられなきゃいかんのかい”って思うじゃない」と振り返った。落合氏が「それだけ期待されてたってことですよ」と話すと「それは分かるけど、“なんでこのクソ親父”と思ったな」と話した。松永監督は4番の田淵氏の前後を打つ候補として、浩二氏と富田氏に大きな期待を寄せていた。

 2年秋から先発出場が増え、3年からレギュラーに定着した。田淵幸一氏、富田勝氏とともに「法政三羽ガラス」と称され、3人は68年のドラフト会議で1位指名を受けてプロ入りした。

 「トミ(富田氏)がいなかったら、もう早めにお手上げしたかも分からんな。それほど苦しかった。“あいつが頑張ってるから、負けるわけにはいかん”って思うじゃない。頑張ってよかった。プロ入っても、その時の練習の方がきつかったから」と浩二氏。「そん時のおかげでここまで来てるわけやから。それが土台」。プロ野球で「ミスター赤ヘル」と称されたその土台は、法大時代の猛特訓で築かれた。

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年8月11日のニュース