辻発彦氏 阪神・伊藤将のクロスファイアは球審が思わず手を上げたくなる直球

[ 2023年7月2日 07:00 ]

セ・リーグ   阪神3ー0巨人 ( 2023年7月1日    東京D )

スポニチ評論家・辻発彦氏
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 【辻発彦 視点】阪神・伊藤将は右打者の内角に突っ込む直球の精度が高い。あくまで私の印象だが、球審は左投手のクロスファイアの直球をストライクに取りたがる傾向にある。

 伊藤将の直球は打者と捕手の間からのぞき込むように判定している球審が、思わず手を上げたがるような軌道で切れ込んでくる。内角際どいコースの直球を取ってもらえると、ストライクゾーンの幅が広がって外角へのチェンジアップが効いてくる。岡本和との第1打席は4球全て内角にそろえて三振。第2打席は外のチェンジアップで二飛に打ち取っている。ホームから離れて立つウォーカーは外角の直球とチェンジアップ。中田翔のように対応力のある打者は四球で勝負を避ける。ヒットではなく一発狙いの打者が並ぶ巨人打線が、タイミングを外しながら内外角を投げ分ける伊藤将を打ち崩すのは容易ではないと思う。

 この試合もそうだが今のセ・リーグはどこのチームも得点力不足。決め手がない。巨人は坂本、阪神は佐藤輝ら主軸を欠いている。勝負の8月、本来のレギュラーをどれだけそろえられるかが優勝への鍵になる。(本紙評論家)

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