佐々岡真司氏 広島・矢崎が被弾、三飛… 引き続き活躍するために検証を

[ 2023年6月15日 07:30 ]

交流戦   広島4―3楽天 ( 2023年6月14日    マツダ )

<広・楽>9回、浅村に同点本塁打を許した矢崎(撮影・平嶋 理子)
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 【佐々岡真司 視点】矢崎の心境は複雑だろう。私にも経験がある。劇的なサヨナラで勝ち投手になったものの、自分自身に白星は要らない――。それが抑えを任された投手の心理というものだ。

 1点リードの9回1死から浅村に打たれた痛恨の同点弾。カウント2―1からの抜けたフォークを痛打された。一発だけは避けなければいけない場面。本人は当然分かっている。にもかかわらず高く浮いた。結果的に三飛となった鈴木大への一球も同様だった。

 昨季、心技体で飛躍的に成長した右腕。いい時は、腕をしっかり振った中でストライクからボールになるフォークを制球し、空振りが取れる。9回の先頭打者・小郷のバットが空を切った初球がまさにそう。その一球こそが矢崎本来の力だ。

 栗林が本調子を欠く中、今季もよく頑張っている。ただ前回9日のロッテ戦から2試合連続での失点。被弾後も気落ちせずに抑え、劇勝を呼び込んだのは成長の証だが、三飛はどういう状況だったのか、高く抜けているのはなぜか、引き続き活躍するために検証の必要があるだろう。(本紙評論家)

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