侍・村上 ダル撃ち「公開処刑」弾!夢対決で衝撃バックスクリーン「自分の野球人生にとって財産」

[ 2023年2月22日 05:25 ]

侍ジャパン強化合宿 ( 2023年2月21日    サンマリン宮崎 )

ライブBPでダルビッシュ(左)からバックスクリーン弾を放つ村上(撮影・平嶋 理子)
Photo By スポニチ

 第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパンで4番として期待される村上宗隆内野手(23)が21日、宮崎強化合宿で初めて行われたライブBP(実戦形式の打撃練習)でダルビッシュ有投手(36)からバックスクリーンに豪快弾を放った。昨季は56本塁打を放つなど史上最年少で3冠王に輝いた若侍が日米通算188勝右腕から一発。5人のメジャーリーガーも含め最強の呼び声も高い打線の中心に君臨する。

 打球は失速することなくバックスクリーンに達した。それだけなら、もはや驚かない。村上が斬ったのは、あのダルビッシュ。後方で見守った侍の面々からは感嘆のため息が漏れ、客席の1万8356人のファンはどよめいた。

 「風に乗ってくれました。(ダルビッシュから)“公開処刑すんなよ”って言われたんですけど、こっちも必死にいったので。思い出になりました」

 ライブBPで実現した夢の対決。その4球目だ。カウントは1―2。内角のボールゾーンからストライクゾーンに入る、いわゆる「フロントドア」のツーシームが高めに入った。フルスイング、そして衝撃音。「追い込まれながらの対応。楽しもうと思っていたし、集中して打席に入らないと失礼」と振り返った。

 日米通算188勝の男も苦笑いを浮かべるしかなかった豪快弾。予定されていた打者との対戦を終えた右腕から再戦を申し入れられ、慌ててレガースをつけ直して再び打席に立った。初球は一ゴロに倒れたが、続く2球目。今度は外角のボールゾーンから入ってくる「バックドア」のスライダーを、しっかり待って左前に運んだ。前夜から投球の軌道をイメージして臨み「対策は間違っていなかった」と笑顔。対戦後はベンチに戻り「打席から離れて立っているけど、どう思いますか?」などと質問した。

 村上が最初に日の丸に憧れを抱いたのは小学生だった09年。世界一連覇を果たした第2回WBCの決勝で守護神として胴上げ投手となったのがダルビッシュだった。当時9歳で声をからして応援。「一緒に野球をやっているのが信じられない。幸せを感じながら打席に立った。自分の野球人生にとって、財産」と少年のように瞳を輝かせる。

 昨季は56本塁打を放つなど3冠王に輝き、将来的なメジャー挑戦も視野に入れる村上。ダルビッシュから「本当に雰囲気がある」などと賛辞を贈られたが「素直にうれしいけど、これからもっと成長してそういう結果になるよう努力したい」と気を引き締める。エンゼルスの大谷らも含め史上最強の打線となる侍ジャパンで、4番として09年以来、14年ぶりの世界一に貢献する。宮崎の青空に描いた放物線には、そんな決意が込められていた。(青森 正宣)

 ≪二刀流挑戦!?最速136キロ計測≫村神様も二刀流?村上は全体練習後に山川とともに球場のマウンドへ。和やかな雰囲気でトラックマンで計測していたスタッフらに合流して投球練習を始めた。「何キロ?」と尋ねながら豪快なフォームで投球すると、球速は130キロ台を連発し、回転数も2000以上をマーク。スライダーやフォークも投じ、最終的には最速136キロをマークした。

続きを表示

この記事のフォト

2023年2月22日のニュース