広島・大瀬良 5年連続開幕投手よりも「1年間しっかりとチームのために戦う」

[ 2022年12月8日 05:00 ]

契約更改を終えて会見に臨む広島・大瀬良(撮影・河合 洋介)
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 広島・大瀬良大地投手(31)が7日、広島市南区の球団事務所で交渉し、3年契約2年目の来季へ現状維持の年俸1億8千万円プラス出来高払いで契約を更改した。来季も開幕投手を務めれば、球団では黒田博樹(03~07年)以来3人目の5年連続という栄誉でも、名乗りを上げることはなく、1年間通した安定感ある投球を最優先に逆襲を期した。

 大瀬良は、球団からの激励を重く受け止めた。「1年間通して結果を残すことを望んでいると言っていただいた」。開幕投手を務めた今季は3、4月に6戦4勝で月間MVPを受賞。しかし、好調は続かず、不振で2度登録を外れるなど不本意な1年に終わった。

 「情けないシーズンだった。その一言に尽きる」

 これまでは開幕戦を万全で迎えるために逆算して調整してきた。「4、5月の成績がいいのは、開幕投手を目指す中での取り組みもあるかもしれない」。5年連続で開幕投手を務めれば、球団では長谷川良平(1953~58)、黒田博樹(2003~07)以来3人目。それでもシーズン終盤での息切れが続く近年を踏まえれば、安易に大役に名乗りを上げることはできなかった。

 「表現が難しいが、監督からは1年間いいパフォーマンスを出すことを求められていると思う。どっちを取るかと言えば(開幕投手よりも)1年間しっかりとチームのために戦うこと。その中で開幕投手になれるのであれば、もちろん光栄なことだと考えています」

 新井監督は先発の球数管理など、蓄積疲労を考慮した投手起用を掲げている。大瀬良は、指揮官の方針を歓迎した。

 「今年に限らず、120球を投げた次の登板は結果がついていない。球数を制限しながら、いい状態を保ってほしいと監督から言っていただけるのは、選手にとってありがたいこと」

 今季の3完投は6月までに挙げたもので、7月以降は2勝のみ。「新井監督式」の起用法も味方につけながら、来季の逆襲につなげる構えだ。体重は今オフ中に約8キロ増の93キロに増やした。右肘を手術した20年オフから故障を回避するために減量。しかし、球威も落ちた。

 「しっかり体重を乗せて、球に力を伝えるのが元々のスタイル。体重を戻して、自分らしい、いい球が投げられるように挑戦したい」

 来季の開幕投手は白紙ながら、大瀬良が先発陣の大黒柱であることは間違いない。今季の悔しさは、来季1年間腕を振り続けて晴らす。 (河合 洋介)

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2022年12月8日のニュース