村神様に顔似てるね ソフトBのドラ3・生海は左打席の構えも村上譲り 目標は「ホームラン王」

[ 2022年12月6日 05:00 ]

<ソフトバンク新入団会見>笑顔でバットを振る生海(撮影・岡田 丈靖)
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 会見場がざわついた。ソフトバンクは5日、ペイペイドームに隣接する福岡市内の商業施設で23年度の新入団選手会見を行った。登録名「生海(いくみ)」、ドラフト3位の甲斐生海外野手(22=東北福祉大)は憧れの強打者、ヤクルト・村上に顔が似ていることで注目を浴びた。大学4年夏から左打席での構えも本家をまねて秋季リーグで2冠になった大砲候補は、照れながらも流行語大賞並みのブレークを誓った。

 ユニホーム姿の生海は、門出の行事を終えるとドラフト2位の大津に話し掛けられた。

 「選手発表会見の時から思っていたけど、いや、マジで似てるわ。顔よ顔。似てる」

 社会人出身の即戦力右腕が真っ先に対戦したい打者がヤクルト・村上。ドラフト3位入団の生海も同じ左の大砲候補。目鼻立ちを凝視された生海は早くも、イメージトレーニングに使われていた。

 「いやいや、言われたことないんですけど、うれしいです」と照れる生海を、地元テレビ局のアナも流行語大賞となった“村神様”になぞらえて“生神(いくがみ)様”と呼んだ。カメラに向かって“エア素振り”もさせられた。

 本人も大学で本家に寄せている。1メートル84、95キロの巨体で村上に身長で4センチ低く、体重は2キロ軽いが大差はない。実際に4年夏から村上のバットの構えを完全コピー。自慢の打球飛距離は健在のまま、広角に長打を打ち分けて、本塁打と打点で秋季リーグトップになった。

 目標にも本家をちらつかせる。会見の壇上で掲げたサイン付きの色紙には「ホームラン王」と書いた。理想の本塁打は、村上が巨人・菅野から放った今季54号弾。「インハイを捉えて飛ばす。本当に凄いなと」。最近、心を打たれたニュースは「3冠王」。56本塁打などで史上最年少の打撃3冠王となった理想像に、顔も記録も近づく構えだ。

 藤本監督も強打の大卒外野手に期待する。この日の発表会見後には大津、松本晴の即戦力投手に加え、生海も来春の宮崎キャンプでのA組(1軍)メンバー候補とし、「決定ではないが(宮崎に)連れて行きたいと思っています」と名を挙げた。もし宮崎でB組(2軍)メンバーになれば“鷹の村上様”こと村上隆行2軍打撃コーチから指導を受け、村上つながりで憧れの打撃に迫る。「まず2年目から(活躍)で」と謙虚な生海。顔だけでなく、マイペースなところもどこか本家と似通う。“生神様”誕生が楽しみだ。 (井上 満夫)

 ◇甲斐 生海(かい・いくみ)2000年(平12)7月11日生まれ、福岡県北九州市出身の22歳。小3で競技を始めて九州国際大付では通算36本塁打も甲子園出場なし。東北福祉大では通算15本塁打。4年秋に一塁手で打撃2冠とベストナイン。夢は「親孝行」で座右の銘は「感謝」。刺し身好きのパクチー嫌い。愛称は「いっくん」。1メートル84、95キロ。右投げ左打ち。

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