元広島・安部氏 野球教室でトレーニング方法、食育も助言「技術を教えるだけが野球教室ではない」

[ 2022年12月6日 08:00 ]

守備練習で実演する安部氏(右)
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 16年から18年の広島の3連覇に貢献し、今季限りで現役引退を表明した安部友裕氏(33)が福岡県宗像市の小学校で「ベースボールアカデミー」の第1回を開いた。野球教室だけでなく、トレーニング方法、食育も助言し、保護者も参加する今までにない内容だ。安部氏が思いを語った。

 引退を発表してからわずか11日。安部氏の姿は故郷、福岡にある赤間小学校にあった。少年野球チームの赤間パイレーツと東福間SSEの約30人の前で「覇気を出していきましょう」と自身の代名詞である言葉を用いてあいさつ。セカンドキャリア第一歩となる約2時間のアカデミーが始まった。

 指導にあたったのは安部氏のほかに現役時代に専属トレーナーだった伊藤和之氏と、赤間パイレーツOBで伯和ビクトリーズでプレーした小原礼史氏。「野球の技術を教えることだけが野球教室ではないと思っている」という言葉通り、特徴的な取り組みがあった。保護者が参加し、選手とともにランニングし体を動かした。また、食育に関して保護者に助言をした。安部氏は「こういう食事をすることで筋肉がついてくるとか、こういう練習で回復させられるとか、親御さんにも伝えられたら」と狙いを語った。

 もちろん、野球指導にも力を入れた。本職の打撃、守備の練習では子供たちを集め意見を聞きながら実演しつつ、「脱力」のススメを説いた。「遊び感覚のところも覚えてほしかったです。ガチガチになると力んでケガにもつながる」と経験をもとにアドバイスした。

 専門外の投手部門については広島でチームメートだった大瀬良や森下らに聞いたヒントを助言。「(各)分野に関しては詳しい人が話すのが一番ですけど、基本はあるので」と話した。今後は広島を拠点に野球指導に携わっていく。「野球だけではなく、体を動かすこと、ご飯を食べること。そこだけじゃない部分も伝えたい。全部をバランスよくやって今後の人生が豊かになれるようサポートができればいいと思います」と意気込んだ。 (杉浦 友樹)

 ◇安部 友裕(あべ・ともひろ)1989年(平元)6月24日生まれ、福岡県北九州市出身の33歳。福岡工大城東から07年の高校生ドラフト1位で広島に入団。プロ通算700試合に出場し、打率・264、25本塁打、160打点、49盗塁。右投げ左打ち。

《赤間パイレーツ・吉田主将は感激》
 ○…安部氏のアカデミーを受講した赤間パイレーツの吉田颯馬主将(6年)は「自分の知らないことを元プロ野球選手が教えてくれたので、次に生かしていきたいと思いました」と感激の表情だった。打撃面では腰を早く振らないこと、守備では体の目の前でボールを捕ることを助言された。「練習から意識していきたいです」と話した。

《元伯和ビクトリーズ・小原氏も指導》
 ○…安部氏とともに指導にあたった小原礼史氏は、社会人野球の伯和ビクトリーズなどでプレー。赤間パイレーツのOBだったことが縁でアカデミーの指導が実現した。赤間パイレーツの中山聡監督は「体の動かし方だったり内容が濃いものがありました。かみ砕いて話していてくれたものを僕らも採用してやっていけたらと思います」と感謝した。

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2022年12月6日のニュース