西武・松井稼頭央新監督 熱血始動!「マックスよりも(強度を)上げて」

[ 2022年10月18日 05:20 ]

練習前、選手の前で訓示する松井新監督(撮影・尾崎 有希)
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 西武の秋季練習が17日、埼玉県所沢市の球団施設でスタートし、松井稼頭央新監督(46)が始動した。練習前にはオフに個々の限界を超えて鍛えるようナインに訓示。一方で、練習中には多くの選手と対話を重ね、硬軟織り交ぜる指導方針がうかがえた。現役時代に監督として、ブレークを後押しした東尾修氏(72=本紙評論家)は、4年ぶりの覇権奪回へエールを送った。

 松井新監督は両打ちだった現役時代、打席での心構えを「人格を変える。右はアホ。左は賢く」と例えていた。秋季練習開始前に円陣で行った2分間の所信表明にも重なった。厳しさと温和な性格の両面が見えたからだ。

 「マックスよりも(強度を)上げた中でやってほしい。この秋、自分が成長するためにサポートしていく。勝てるチームとして全員の力が必要になる」。主力選手を前に、限界を超えて鍛えるように訓示した。

 冒頭は柔らかい関西なまりで照れ笑いを浮かべて始まった。「今年ヘッドをやらせてもらって、監督って違和感あるかも分からんけど。少しずつ」。だが次第に言葉は熱を、大きな目は力を帯びた。

 元々右打ちでプロ3年目から左打ちを始めた。天性の感覚を持つ「自然体の右」と、慎重に打撃フォームをチェックする「機械的な左」を「人格を変える」と大阪人らしく表現して日米通算2705安打を放った。金髪のど派手な個性を押し出した元スター遊撃手は、陰では人一倍練習を重ねて投手から打者転向、さらに両打ち転向を成功させ、大リーグでも活躍した。

 23日に47歳の誕生日を迎える青年監督はパ・リーグでは最年少。「初日」には、来季40歳と年齢の近い中村には肩を組んで対話し、外野でキャッチボールする投手陣にも積極的に話しかけに行った。現役最終年は西武に復帰した18年で、ほとんどの主力選手とともにプレーしている。一歩間違えばなれ合いになる。だから訓示では「強い気持ちを持って、自分に負けないようにやってほしい」とチームを引き締めた。

 「5分前行動」の規律も設けた。午前10時開始の予定を早め、同9時55分から31日までの日程で秋季練習を開始。「CSで本当に悔しい負け方をした。この秋は技術、個の力を上げてほしい」。厳しい勝負師の顔で訴えた。(神田 佑)

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2022年10月18日のニュース