阪神・藤浪、ポスティングでメジャー挑戦意思! 容認未定もシーズン終了後に球団と交渉へ

[ 2022年9月28日 03:00 ]

セ・リーグ   阪神4―1ヤクルト ( 2022年9月27日    神宮 )

<ヤ・神>ナインと勝利のタッチをかわす藤浪(撮影・大森 寛明)
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 阪神・藤浪晋太郎投手(28)が今オフ、ポス ティング・システム(入札制度)を利用してメジャー挑戦の意思を持っていることが27日、分かった。プロ10年目の今季はコロナ感染など紆余(うよ)曲折ありながら8月の再昇格後は先発として好投。一人のアスリートとして最高峰の舞台に挑みたい純粋な思いは年々高まっていた。既に球団には意向を伝えており、容認されるかは未定ながらチームの全日程終了後に交渉していく。

 自分の気持ちに正直になる。大小、形を変えながらずっと胸の中にあった夢。藤浪が、ポスティング・システムを利用してメジャー挑戦を目指す。

 球団にはすでに意思を伝えている。チームの全日程終了後に球団とは本格的に交渉に入っていく予定。その場で改めて、率直な思いを言葉に乗せるつもりだ。これまで公の場では将来的なメジャー挑戦については語ることはなかったが、最高峰のマウンドで腕を振る「憧れ」はひそかに持ち続けた。

 高校時代からのライバル・大谷(エンゼルス)が二刀流で世界を魅了し、同一リーグでしのぎを削ってきた鈴木(カブス)も中軸で奮闘中。同世代の躍動にも刺激を受け来年4月で29歳になる右腕は夢と現実のはざまで“答え”を出した。

 2年連続の開幕投手を務めた今季は4月中旬にコロナ感染で離脱。中継ぎへの一時的な配置転換を経て、8月には先発として戻ってきた。同20日の巨人戦で433日ぶりの白星を挙げ、5試合連続でクオリティースタート(6回以上、自責3以下)を記録するなど結果を残した。「この数年にない、いい感覚で投げられている」。変化球の割合を増やした配球面の変化、投球フォームの安定で復調を印象づけ、昨オフに「自分のエゴ」と言ってまでこだわった「先発」で輝きを取り戻した。

 在籍10年目を迎えるタイガースへの愛着は当然ある。1年目から変わらぬ…むしろ大きく、温かくなった声援や拍手。不振を経験し、聖地のマウンドから見える景色も変わった。19年は1軍でわずか1試合の登板。唯一のマウンドだった8月1日の中日戦は大歓声に後押しされた。「あの試合、すごい声援をもらえたんですよね。こんな成績なのにまだ応援してもらえる。自分の中でいろいろ意識が変わった瞬間でした」。「誰かのために投げたい」と口にするようになったのもその時からだ。

 逆転CS進出を目指すチームが残り3試合の状況もあり、現在はブルペン待機中。今は、目の前の1勝にどんな形でも貢献するため全力で腕を振る。その先にある夢への扉。藤浪晋太郎の“新章”が動き出す。

 ◇藤浪 晋太郎(ふじなみ・しんたろう)1994年(平6)4月12日生まれ、大阪府出身の28歳。大阪桐蔭では3年時にエースとして史上7校目の甲子園春夏連覇を達成。12年ドラフト1位で阪神入り。1年目から先発に定着し、15年まで3年連続2桁勝利をマーク。20年10月19日ヤクルト戦で球団最速の162キロを計測。21、22年は開幕投手を務めた。17年WBC日本代表。1メートル97、98キロ。右投げ右打ち。

 ▽ポスティング・システム 海外FA権の取得前に大リーグに移籍する制度。現在は以前のように入札ではなく、獲得希望の全球団と交渉ができる。大リーグ側に申請し、米30球団に通知された原則翌日から30日間、交渉可能。日本球団への譲渡金は選手が契約で保障される額により変動する。なお交渉期間内に契約合意がなかった場合、翌年の申請開始日までポスティングの再申請はできない。

 ○…阪神からポスティングシステムでメジャーへ移籍したのは井川慶のみ。04年オフの交渉で初めて直訴し、球団が認めなかったため契約更改が遅れ、05、06年の春季キャンプが自費参加となった経緯がある。

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