真面目で力持ち 中日新外国人レビーラ、パワフルな打撃は魅力たっぷり 左翼守備は伸びしろたっぷり

[ 2022年8月8日 07:45 ]

豪快な打撃が魅力の中日新外国人レビーラ
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 低迷するチームの救世主になるかもしれない。中日の新外国人ペドロ・レビーラが連日、パワフルな打撃で存在をアピールしている。6月に育成選手として入団し、7月27日に支配下登録。同30日の広島とのデビュー戦では第2打席でマツダスタジアムの左翼席後方のネットに突き刺す特大の本塁打を放った。その後も好調を維持し、6試合に出場して20打数7安打の打率・350、1本塁打3打点と結果を出している。

 魅力は豪快な打撃だ。まだ粗さが目立つスイングだが、打撃練習ではバンテリンドームの5階席まで軽々と飛ばす。変化球で体が前に出されることも少なく、当たり損ねの打球でも球足が速いため外野へ抜けていく。キューバ国内リーグで74試合で26発を放ち本塁打王に輝いたこともうなずける。

 課題は守備面だ。本職は一塁と捕手だが、一塁には4番のビシエドがおり、捕手は言葉の壁や技術的な問題もあるため、現状では左翼しか出場できるポジションがない。立浪監督は「多少、守備には目をつぶっても」と覚悟の上で起用しているが、5日のDeNA戦では後方のフライを見失って三塁打にしてしまう決定的なミスをした。

 その翌朝、早出で大西外野守備走塁コーチと守備練習に汗を流す姿があった。大西コーチが投げたフライを半身になって追いかけ、体を切り返して落下地点に入り捕球する、まるで小学生がやるような基礎練習を、嫌な顔一つせず黙々とこなしていた。日本で成功したいという強い思いはコメントからも伝わる。

 「コーチが朝早く来て付き合ってくれて感謝している。不慣れなポジションで新たな挑戦。心の底からうまくなってくれと教えてくれている。どれだけ汗をかいてグラウンドで練習するかで決まる。練習しないとうまくならない」

 1999年3月生まれの23歳。日本なら大学を出て2年目の若者だ。攻守に伸びしろはたっぷりある。左翼守備は伸びしろしかない。真面目で力持ちの助っ人が来日して真っ先に覚えた日本語は「アリガトウ」。打撃だけでなく守備でも自軍投手から感謝の言葉をもらえる日がきっとくる。(記者コラム・中澤 智晴)

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