西武・山川 12球団全本拠地で「どすこい」、自身甲子園初アーチで14戦不敗継続

[ 2022年6月1日 05:30 ]

交流戦   西武2-0阪神 ( 2022年5月31日    甲子園 )

<神・西>2回無死、先制の本塁打を放ち、どすこいをする山川(左)=撮影・平嶋 理子
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 西武・山川穂高内野手(30)は31日、敵地・甲子園での阪神戦で12球団の全本拠地でのアーチとなる17号ソロを放ち、2―0の3連勝に導いた。沖縄・中部商時代にはたどり着けなかった聖地で思い出に残る一発。規定打席不足ながら本塁打、打点(37)のリーグ2冠王を突き進む主砲の本塁打が出た試合は14戦全勝と、不敗神話がまた一つ伸びた。

 山川はよく森と「甲子園」の話をする。森は大阪桐蔭2年時の春夏連覇を含む4度出場したのに対し、中部商で一度も出たことがないのにだ。プレーの話ではない。甲子園を目指しどれだけつらい練習をしたか、努力自慢をするのだ。

 「打った瞬間でした。高校の時に打てたら良かったんでしょうけどね」。甲子園初アーチで12球団全本拠地での本塁打を達成した。

 20年に春夏の甲子園と地方大会が中止となった。高校球児に伝えたかったことがある。甲子園は出場できなくとも「目指すため必要な努力をさせてくれた場所」だと。自身も聖地が、打球を遠くに飛ぶようにしてくれた。

 3年夏に沖縄大会決勝で敗退して涙してから13年後のこの日。打球は弾丸ライナーで伸びた。2回先頭で西勇のシュートを左翼席へ。先制の17号ソロが、今季10度目の決勝打となった。沖縄の高校が甲子園出場した際の名物である指笛も「ハイサイおじさん」の演奏もない。静まりかえった甲子園で「どすこーい」の声を響かせた。

 「高校生が打てば(特別)いいというか…。僕たちはどこの球場でも、自分の打撃をしたい。一本は一本」。その自分の打撃を可能にするのが「片足けんけん」。今季新ルーティンとして取り入れ、ネクストバッターズサークルで繰り返す。体の軸がぶれないように右足に体重を残す意識を打席に立つ直前に再確認。その軸足に尻を乗せるようにドッシリ構え、本塁打と37打点でリーグ2冠に立つ。

 本塁打すれば14戦全勝。交流戦首位タイのチームを3連勝に導き、再び貯金1に浮上した。「不敗なんちゃら、神話みたいなことは、意識することは絶対ない。けど、相手が意識してくれたらいい」。対中日、DeNA、阪神と交流戦全カードで本塁打。セ・リーグにも恐怖の存在である。(神田 佑)

 ▼西武・森(8回2死一、二塁で右前適時打し3月30日以来2カ月ぶりの打点)追加点が欲しい場面だったのでランナーを還せて良かった。

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