早大も立大も騒然「え?そこからジャッジするの?」 審判員の力量試される東京六大学野球フレッシュT

[ 2022年6月1日 10:13 ]

東京六大学野球 フレッシュトーナメント   早大-立大 ( 2022年6月1日    神宮 )

東京六大学野球フレッシュトーナメント<明大・立大>内野に入り一塁のジャッジをする塁審(撮影・藤山 由理) 5月31日撮影
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 問題です。左打者のハーフスイングを判定する審判員は何塁の塁審でしょう―。野球に詳しい人は即答するだろう。「三塁塁審」と。だが、30日に開幕した東京六大学野球フレッシュトーナメントでは違う。左打者を背中側から見ることになる一塁に位置する審判員が行うケースがある。審判員2人制を採用しているため塁審は1人しかいないからだ。

 先述のケースが実際に起こった。第3日が行われているきょう1日の第1試合、早大―立大戦の初回。立大の3番で、左打者の菅谷がカウント1ボール2ストライクからハーフスイング。捕手が「チェック・スイング」を要求すると、球審は捕手の左側から回り込んで一塁ベースの後方に位置する塁審に「Did he go(打者はスイングしていたか)?」と確認した。

 リーグ戦の審判員4人制に慣れている早大、立大の両ベンチからは「ウォーイ!!」と驚きの声が上がった。注目の判定は「ノースイング」。命拾いした菅谷は左前打で両チーム合わせてこの試合初安打をマークした。

 2人制は審判員にとって最高にスリリングだ。普段は4人で判定するすべてのプレーを2人でジャッジ。そのため判定が起こる箇所が死角になってしまうこともあるし、距離が離れてしまうこともある。だからこそプレーを「読む」ことが重要になる。1つのステップでプレーを判断するための視界は劇的に変わる。11年から16年までNPB審判員を務めた私も、16年に派遣された米国・フロリダの審判学校で2人制の動きを叩き込まれた。2人制をマスターできれば4人制で行う際の技量は格段にアップする。

 球審・鈴木、塁審・萩原の両氏が神宮のグラウンドを走る、走る、走る。1、2年生が出場するフレッシュリーグで審判員も腕を磨いている。(柳内 遼平)

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2022年6月1日のニュース