楽天・涌井 3歳長男の電話「頑張って!」に応えた60度目完投「力をもらったのが良かった」

[ 2022年5月5日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天5―1日本ハム ( 2022年5月4日    札幌D )

<日・楽>今季3勝目をあげた涌井はスタンドのファンにあいさつする(撮影・西川祐介)
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 ポーカーフェースのまま、静かにキャッチボールを始めた。楽天の8回の攻撃中、涌井が一塁ベンチ前で、最終回へのウオーミングアップを開始。8回を終え97球も首脳陣の問いかけに「大丈夫です」と即答し、マウンドへと上がった。

 9回2死から横浜高の後輩・浅間に中越え二塁打されたが、続くヌニエスには最後の力を振り絞った。114球目。この日の最速となる150キロ直球で、空振り三振を奪って締めくくった。20年8月5日のソフトバンク戦以来2年ぶりの完投で手にした3勝目に「思った通りの投球フォームで球を操れた。疲れたけど、投げていて楽しかった」と納得顔。石井監督も「試合を支配できる球を投げていた」と称えた。

 「先発=完投」の美学は変わらない。完投数は現役トップの60度目だ。母校の偉大な先輩・松坂大輔に憧れ「この人はいつまでマウンドに立っているんだと思って見ていた。先発投手である以上は、自分もそうありたい」。18年目、35歳のベテランは、若き日に抱いた理想を追い続ける。

 5日はこどもの日。押切もえ夫人との間に2児をもうけたパパでもある涌井はこの日の朝、家族との電話で3歳の長男から「頑張って!」とエールをもらった。「力をもらったのが良かったのかな」。大切な家族に格好いい姿を届けた。全国の野球少年・少女には「楽しむことが大事。(見ている子供たちと)一緒にやれるぐらい長く頑張りたい」とメッセージ。チームは今季初の6連勝で球団記録の7連勝にあと1。NPB現役通算勝利でヤクルト・石川に次ぐ153勝の右腕は、大型連休の大型連勝への勢いを加速させた。(重光 晋太郎)

 ▼楽天・西川(昨年までの古巣の本拠で、3回2死二塁から先制右中間三塁打。打点23はリーグトップタイに)最近打てていなかったので、走者を還すことを考えて打席に入った。北海道のファンの皆さんに元気な姿を見せたい。

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