広島のルーキー中村健 刺した!刺した!2イニング連続補殺&2戦連続適時打、定位置奪取へ攻守で猛アピ

[ 2022年5月5日 05:30 ]

セ・リーグ   広島3―6巨人 ( 2022年5月4日    マツダ )

<広・巨>4回、丸の打球を処理し、本塁へ好返球する中村健(撮影・河野 光希)
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 広島・中村健人外野手(24)は、2試合連続の先発出場となった4日の巨人戦で攻守に光った。右翼の守備では3、4回と2イニング連続で本塁への好返球で補殺をマーク。打っては5回に2試合連続となる適時打を放った。しかし、投手陣がリードを守り切れずに逆転負け。2位・ヤクルトには1ゲーム差に離された。

 中村健には派手さがない代わりに堅実さがある。守備では3回2死二塁で吉川の右前打を処理し、本塁ベース上へ確実に送球して生還を阻止。4回2死二塁で丸の打球にも慌てずに本塁へ送った。相手がリクエストを要求するほどの際どいタイミングでも冷静さを貫き、2イニング連続で補殺を完成させた。

 「どちらも0―0の場面。本塁打を2本打てたようなものだと思う。菊池さんも会沢さんも出ておらず、ロースコアでいかないといけない中で、2ついいプレーができたのは良かったと思います」

 並外れた強肩を誇るわけではない。常に両足を動かし、右肩を回しながら打球を待つ。2度とも定位置からの正面のゴロに一気に加速して処理した。「当たり前のことを最上級にやることがこだわり。1歩目、守備位置、相手の特徴、展開をちゃんと頭に入れて投球を迎える」。引っ張り傾向の左打者、二塁走者は俊足ではない、投手はゴロを打たせる九里――。全ての状況を整理できていたことが好送球につながった。

 打席でも派手さはないが、しぶとさがある。5回に2点を先制し、なおも2死一、三塁。戸郷のフォークをたたき、広く開いていた三遊間を破った。会心の当たりではなかったものの「みんなが雰囲気をつくってくれたところで回ってきた。いいスイングができて良かった」とうなずいた。

 4回無死一塁では、ファウル直後の2球目にセーフティーバントで犠打を成功させた。間一髪でアウトになったとはいえ「サインではなくアイデア。リズムを崩したかった」と視野の広さも見せた。

 開幕直後は打力を売りにする末包や長野に出番を譲ったものの、開幕から1カ月が過ぎて、ようやく堅実なプレーが評価され始めてきた。今回が初となる2試合連続での先発出場。今季は「守り勝つ」がチーム方針とあって、中村健の堅守を首脳陣は高く評価しているに違いない。「結果が出たことはすごくいいことですけど、自己中心的に考えられるほどの余裕はない。チームの勝利のために一瞬一瞬を全力でやりたい」。痛い敗戦の中で新人の渋い働きが2日連続で光った。(河合 洋介)

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