落合博満氏 阪神・藤浪再生の鍵は「プレート板の使い方」「欠点が最大なる武器」

[ 2022年4月15日 17:05 ]

落合博満氏
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(68)が15日、YouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。エンゼルス・大谷翔平(27)と同学年で、2012年阪神ドラフト1位の藤浪晋太郎(28)の再生について熱く語った。

 大阪桐蔭時代には史上7校目の春夏連覇を達成し、プロ1年目の13年から3年間で35勝を積み上げた大型右腕。しかし、4年目からの7年間で19勝しか挙げられず海を渡った大谷との立場も“逆転”してしまった藤浪の現状を問われた落合氏は「オレが一番打席に立ちたくないピッチャー」とまさか?の称賛コメント。「本人がそれをどう思っているかだよ」と続けた。

 抜ける球に対して「悪いなって思っていたらピッチャーはやってられないな。精神的なものの方が多いんじゃないかな」と藤浪の心中を察した。その上で「抜けるんだったら、それを一つの武器として考えてもいいんだろうと思う」と話した。

 そして技術的な部分にも言及。精神的な部分以外に「プレート板の使い方」が気になると指摘する落合氏。「どちらかといえば踏み込んでクロス的に入ってくるピッチャーでしょ?左足が右足の、真っすぐ出てくるんじゃなくてクロスしながら回ってくる。真っすぐ出てくるのと体をクロスして元に戻すのではズレが生じてしまう」と身ぶり手ぶりを交え説明し「これを(球が)抜けるんだったら改善してみようっていう努力をしてみればいい」とプレート板の使い方やフォームを改善してみるのも一つの方策であるとした。

 また(球が)荒れるピッチャーというのは2軍で投げさせる投手ではないと断言。「2軍ていうのはあくまでも1軍に上がってくるための試練の場である」と2軍は結果や勝ち負けが関係ない世界と持論を述べ、藤浪は「状態が上がったら上げてやる」とかいうピッチャーではないと語った。その真意は「楽をさせちゃいけないんだろうと思う」。「責任感を持たせて1年間どんだけ悪くても1軍に置いて投げてもらうよっていう、そういう使い方が首脳陣の頭の中にあってもいいんだと思う」と阪神首脳陣にも提言した。藤浪と同じ類の投手としてダイエー、ソフトバンクで03年にシーズン20勝を挙げ、06年には「日本プロ野球史上7人目」「21世紀初」「平成唯一の投手5冠」を達成した斉藤和巳の名を上げるなど、落合氏の藤浪に対する期待の大きさをうかがわせた。

 さらに落合氏は必ずしも抜け球を直すことばかりが大事だとは思わないという持論を展開。「どんな練習をしたら欠点を直せるのかなって考えるか、その欠点が最大なる武器だよっていうことで打者と対戦していくかっていう二つに一つだと思う。だからぶつけることを怖がっちゃいけない。当てたらどうしよう、どうしようと考えるのではなく、俺はすっぽ抜けるピッチャーだよってことを相手に思わせてマウンドに立って抑えていくっていうのも一つの選択肢であるというのは確かだと思う。抜けて頭に当たったからって狙ったとは誰も言わない。あのピッチャーはこういう特長のある、抜けてくるピッチャーだよっていう、その先入観を持って打席に入るから、狙ってきたとは誰も思わないから。そこは利用する価値があるところだと思う」と藤浪に逆転の発想を求めた。

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2022年4月15日のニュース