阪神の黒歴史…史上最悪「開幕17戦1勝」 続く泥沼も矢野監督「開き直ろうとして前に進もうとしている」

[ 2022年4月15日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神1ー4中日 ( 2022年4月14日    バンテリンD )

<中・神>敗戦に佐藤輝(右)らがぼう然とする中、足早にベンチを後にする矢野監督(88)(撮影・北條 貴史)
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 阪神は14日の中日戦にも敗れ、1分けを挟む6連敗に沈んだ。「開幕17戦1勝」は87年のプロ野球の歴史で初めての出来事。勝率・063まで下降し、「史上最低」も更新した。最近5試合で計3得点。矢野燿大監督(53)が佐藤輝明内野手(23)をプロ初2番に置いた勝負手も実らなかった。15日からは10・5ゲーム差の首位・巨人と本拠地で3連戦。低迷が続けば、自力優勝の可能性が4月にして消滅する惨状も現実味を帯びる。

 あまりにも弱い阪神がまた一つ暗黒の歴史を塗り替えた。セ・リーグ5球団との1巡目(広島戦のみ2巡)の対戦を1勝15敗1分けで終了。「開幕17戦1勝」は17試合目で2勝目を挙げた79年の西武よりも深く沈み、長いプロ野球の歴史でも初の屈辱だった。

 「みんなも何とかしようという姿勢を見せてくれていることは、俺も肌で感じている。ただ、プロである以上“やろうとしたけど、できませんでした”というのは、変えていかないと。結果でしか表せない部分はどうしても出てくる。みんなやろうとしているし、開き直ろうとして、何とか前に進もうとしている。それを何とか結果に結びつけられるように」

 矢野監督は気丈に前を向いた。深刻な得点力不足を受け、3日連続で打線を組み替え。それも中核を動かした。中野を1番に上げ、近本は初戦と同じ3番。最大のポイントは不動の4番だった佐藤輝をプロ入り初の2番に置いたことだ。

 「現状、機能しないんで、何かきっかけが欲しいなというところで、打撃コーチやみんなで相談しながら、やってみようかと。なかなかうまくいかないけど、そういうことを考えながらやっていくしかない」

 エンゼルスのトラウトなど最強打者を2番に置くのはメジャーでは珍しくない。井上ヘッドコーチも「中野が出て、輝明にバントというのは求めていない。ちょっと兆しを見せてくれないかなという意味合いで2番」と狙いを説明した。先頭の中野が左前打した4回無死一塁から佐藤輝は強い二ゴロで今季初の併殺打。勝利の女神に完全に見放されている今は、打つ手がことごとく裏目に出る。

 9回に佐藤輝と近本が連打し、大山の中犠飛で零敗を免れるのがやっと。柳には完投を許した。適時打なしは6試合にまたいで52イニングまで伸びた。机上の計算ながら、このまま首位・巨人との差が開き続ければ、24日に早くも自力優勝の可能性が消える。今季初の本拠地での「伝統の一戦」。その名に恥じぬ戦いで白星をもぎ取らなければ許されない状況に追い込まれた。(山添 晴治)

 《勝率・063 ワースト更新》6連敗の阪神は開幕17試合で1勝15敗1分け。勝率を前日の・067から・063に下げてプロ野球ワースト記録(未勝利の・000を除く)を更新した。開幕17試合で1勝止まりも1リーグ時代を含めたプロ野球史上初めて。なお参考記録ながらプロ野球初年度の1936年に大東京が春季0勝8敗1分け、夏季0勝5敗を経て、秋季2試合目で初勝利、4試合目に2勝目の「年度18試合目の2勝目」があり、15日に勝てばこれに並ぶ。

 《24日にも自力V消滅》首位・巨人とは10・5ゲーム差。15日から甲子園で3連戦を行うが、今後阪神が連敗、巨人が連勝の場合、阪神は最短で24日に自力優勝の可能性が消滅。開幕26試合目の消滅なら55年大映の27試合目を更新する2リーグ制最速になる。

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