恐怖の9番!広島・森下4打点 球団投手84年・津田恒美以来の快挙、投げても1失点完投勝利

[ 2022年4月10日 05:30 ]

セ・リーグ   広島9ー1阪神 ( 2022年4月9日    甲子園 )

<神・広>3回2死満塁、森下は走者一掃の三塁打を放つ(撮影・平嶋 理子)
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 広島の森下暢仁投手(24)が9日の阪神戦(甲子園)でまた投打に活躍した。投げては9回を7安打1失点の力投。今季2勝目を昨年4月6日のヤクルト戦以来となる完投で飾れば、打っても4打点の大暴れ。広島投手の1試合4打点は、84年5月13日のヤクルト戦で津田恒美が挙げて以来38年ぶりの快挙だった。試合は天敵・秋山を2試合連続でKOし、9―1で大勝した。

 快音を発した打球は甲子園の右中間を深々と破っていった。無死満塁から堂林、上本が倒れて2死となった3回の好機、森下が自らを助ける走者一掃の3点三塁打を見舞う。1ストライクからの甘い直球を振り抜き、快足を飛ばして三塁を陥れると、会心の笑みを浮かべて2度目のガッツポーズをつくった。

 「しっかり打ちにいこうと思って打席に入った。初めての三塁打なので、めちゃくちゃうれしかったです」

 広島の投手では、14年8月2日の巨人戦で大瀬良がマークして以来の三塁打。それだけじゃない。1点を先制した2回1死一、三塁では、追い込まれながらもセーフティースクイズを決めた。1試合4打点。84年5月13日のヤクルト戦で、あの津田恒美が満塁弾を放って以来の快挙だった。

 「本当は一発で決めたかったけど、追い込まれても何とか決められて良かったです」

 本業では初回、制球に苦しんだ。先頭・近本の右前打と四球などで1死一、二塁。ここで森下はギアを上げる。佐藤輝を高め直球で左飛に仕留め、続く大山を外角高め直球で空振り三振を斬ると、珍しく感情を表に出して右拳を握り締めた。

 「立ち上がりはどうなることかと思ったけど、立て直すことができた。(初回の)ガッツポーズは全く覚えていないです(笑い)」

 無意識の行動に込めた集中力。初回のヤマ場をしのぐと、森下はリズムに乗った。9回133球を投げ抜き、昨年4月6日のヤクルト戦完封以来368日ぶり、通算4度目の完投で飾った2勝目。大分商時代は3番を打っていただけあって、開幕から10打数4安打7打点と打撃面での貢献もキラリと光る。

 「昨日苦しい(延長12回の)試合をしていたので、最後まで投げ切ろうと思った。良かったです。打撃は自分がブレーキにならず、打ちにいくという意識でやっています」

 1勝目を挙げた3月26日のDeNA戦でも8回を3失点に抑え、3安打3打点。投打で奮闘する森下を佐々岡監督は「本当に頼もしい」と大絶賛だった。(江尾 卓也)

 《84年津田は満塁弾》森下(広)が自ら4打点の活躍で2勝目。投手のゲーム4打点は、19年7月27日中日戦の石田(D)以来。広島では84年5月13日ヤクルト戦で、津田恒美が満塁弾を放ち4打点を挙げて以来38年ぶりとなった。また、森下は3月26日DeNA戦でも3打点をマークしており早くも今季7打点。投手が4月までに7打点以上(投手出場時以外は除く)は、75年平松政次(大洋=7打点)以来47年ぶりで、球団初だ。なお、広島投手のシーズン最多打点は55年長谷川良平の11打点だが、森下はどこまで迫るか。

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2022年4月10日のニュース