沖縄尚学 甲子園一番乗り!エース当山、逆転呼ぶ好救援 6回1/3を2安打無失点

[ 2021年7月19日 05:30 ]

第103回全国高校野球選手権沖縄大会決勝   沖縄尚学5―2中部商 ( 2021年7月18日    沖縄セルラー )

<沖縄尚学・中部商>甲子園出場を決め歓喜の沖縄尚学ナイン
Photo By スポニチ

 全国トップを切ってつかんだ甲子園切符。沖縄尚学ナインは静かに喜び合った。なぜか。エースの当山渚(3年)は沖縄の緊急事態宣言を受けて6月上旬から各校の全体練習が約3週間禁止され、練習解禁後も梅雨の影響を受けたことを挙げ「ぶっつけ本番で、自分たちのプレーができずに負けたチームの悔しさもある」と思いやった。

 劣勢ムードを変えたのはエースだった。最速142キロを誇る左腕は0―2の3回途中から登板。130キロ台後半の直球に得意のスライダーを織り交ぜて6回1/3を2安打無失点に抑え、逆転勝ちに導いた。今大会4試合で21回1/3を無失点。「(最後に)チームに一番いい流れを持って来た投球ができた。無失点で終われたことは、自分としても評価しています」と自信を深めた。

 挫折をバネにしてきた。昨秋の九州大会前日に左肘に違和感を覚え、初戦先発を回避。遊離軟骨を除去する手術を受けた。チームも初戦で敗れてセンバツを逃し「悔しいし、申し訳なさがあった」と振り返る。投げられない期間はスクワットや坂道ダッシュなどで下半身を徹底的に鍛え、比嘉公也監督は「最後の最後まで粘り強く投げていた。当山に尽きる。エースの背中になってきた」と称えた。

 緊急事態宣言で全体練習ができなかった約3週間。午前中にオンライン授業を終えた部員は各自で気温が上がる午後から体を動かした。「チームとして決めていた。夏は暑さに慣れていないといけない」と当山。昨年の緊急事態宣言後の練習では脱水症状や足をつる部員が続出したが、今夏は暑さに負けるような部員はいなかった。

 2年前の甲子園では習志野に初戦で逆転負け。スタンドから見つめた当山は「先輩たちの分までまずは1勝したい」と言った。もちろん、沖縄の球児たちの思いも背負う。

 《主将・仲宗根皐頼れるV打》頼れる主将が決勝打を放った。3番の仲宗根皐(こう)は2―2で迎えた5回2死二塁から左前適時打。「自分が決めないとチームが乗らないと思った。決められて良かった」と胸を張った。前日には昨年の3年生の複数の部員から激励のLINEが届いた。「“明日の試合はどんな形でもいいから勝てよ”という言葉をもらった。それが力になった」と感謝していた。

続きを表示

この記事のフォト

2021年7月19日のニュース