震災から10年、岩手の夏開幕!高田、感謝のコールド発進 次は花巻東戦

[ 2021年7月8日 05:30 ]

全国高校野球選手権岩手大会1回戦   高田7―0盛岡誠桜 ( 2021年7月7日    岩手県営 )

<盛岡誠桜・高田>試合前、円陣を組む高田ナイン(撮影・河野 光希)
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 第103回全国高校野球選手権(8月9日から17日間、甲子園)の地方大会は7日、岩手などが開幕し、6大会で計34試合が行われた。岩手の開幕試合ではスポニチ本紙「復興へのプレーボール」で随時連載中の高田が、震災から10年の節目となる大会で盛岡誠桜に7―0で7回コールド勝ちし、2回戦進出を決めた。8日は12大会で計78試合が行われる。

 忌まわしき東日本大震災から10年。その節目の年の開幕試合だ。高田のエース右腕・平山千尋(3年)は独特の雰囲気にのまれそうだった。脳裏に浮かんだのは先輩たちの背中。コロナ禍で甲子園への道が閉ざされた昨夏に、2年生ながら独自大会でマウンドを経験させてくれた。「先輩たちはベスト4。地元が盛り上がった」。感謝の思いを胸に前を向いた。

 直球、スライダー、カーブを織り交ぜ、5回2死まで一人の走者も許さない完全投球。左翼線二塁打を浴びたが、直後に捕手の熊谷が三盗を刺した。7回コールド勝ちを収める中、わずか1安打で無失点。「結構いい方だった」と手応えをにじませた。

 10年前の震災で被害にあった陸前高田市出身。高田小、高田一中と地元で過ごしてきた。高校も高田を選択し、3日に保護者たちを集めて行われた壮行会では「高田で感動を与えられるように頑張ります」と宣言した。そんな強い決意を込めた69球。「甲子園に行って、陸前高田市を盛り上げて、市民に恩返しがしたい」と言葉に力を込める。

 佐々木雄洋監督は「(平山は)緩急を使って持ち味を出した」と先発右腕を評価した。12日の2回戦では春の王者である花巻東と激突する。「失点を減らして、守りやすいペースを意識したい」と平山。やることは変わらない。相手がどこであれ、チームを勝利へと導く。(川島 毅洋)

 《兄は朗希の女房役!熊谷2安打2打点》「3番・捕手」でスタメン出場した春海(かすみ=3年)が2安打2打点をマークした。0―0の初回1死三塁から左前に先制打を放ち「引っ張るよりも流すことが得意」と胸を張った。ノースアジア大野球部3年の兄・南海は大船渡(岩手)で1学年下の佐々木朗希(現ロッテ)とバッテリーを組んだ。スタンドで観戦した兄は「捕手としていい動きをしていた」と目を細めた。

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