日本ハム・木田投手コーチ称えた「エースだな」 上沢がベンチで見せた降板後の振る舞い

[ 2020年10月3日 08:00 ]

9月29日のロッテ戦に先発した日本ハムの上沢
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 日本ハムが3―4で敗れた9月29日のロッテ戦後、取材対応の予定がなかった木田投手コーチが突然、取材エリアに現れた。

 先発した上沢はこの試合、初回だけで41球を要して3失点。2回以降はゼロを並べて立て直したが、この失点が響き、ロッテ・石川との投手戦に敗れた。7回降板後にはベンチで木田投手コーチと数分間にわたってやりとりする場面があった。降板を告げられた上沢の表情は納得がいっていないように見て取れた。木田コーチはまず「あのイニングに40球も投げたのに、その後にちゃんと立て直してしっかり抑えてくれたのはさすが」と試合を振り返りつつ、「もう一つ」と続けた。

 「7回が終わった時に本人が行きたがっていたけど、(球数が)120球を超えていたので、無理やり止めた。それでも次の堀がマウンドに行くまでベンチに残って、堀が出てきた時には“頑張れよ”と言ってロッカーに戻った。そういう姿勢が上沢らしいし、エースだな、と。それを言いたかったので来ました」

 ロッテ、ソフトバンクと上位2チームとの6連戦初戦。逆転でのCS進出へ、どうしても勝たなければいけなかった試合の初回に3失点。上沢としては8回もチームに流れを引き戻す投球をするつもりだったのだろう。だが、悔しさをグッとのみ込み、ベンチに残って後輩に激励の言葉を掛けた。
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 栗山監督も「責任を持ってしっかり投げ切るんだという姿があった。取られた後の姿が大事。そこは本当に素晴らしい姿だった」とエースらしい振る舞いを称えた。帰り際に木田コーチとすれ違った際に記者が「いい話をありがとうございました」と伝えると、「すみません、出しゃばりました」と照れくさそうにほほんだ。コロナ禍で取材が制限される中、心温まるエピソードだった。(日本ハム担当・東尾 洋樹)

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2020年10月3日のニュース