阪神・大山 リーグ2位18号3ラン バース以来の本塁打王も視野

[ 2020年9月13日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3―1広島 ( 2020年9月12日    甲子園 )

<神・広>初回2死一、二塁、大山は中越えに先制の3点本塁打を放つ(撮影・後藤 大輝)
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 阪神・大山悠輔内野手(25)が12日の広島戦で初回に先制、そして決勝の3ランを放った。3連勝へ伸ばし、再び今季最多の貯金3。18号は同僚サンズと並んでリーグ2位に上がった一方、ナイターで2発を放った巨人・岡本には3本差へ広げられた。9・5ゲーム差を追いかける秋。奇跡を起こすなら、逆転で本塁打王を奪うほどの量産がほしい。

 打てない時でも貫いた信念が、実力に変わり始めた。甲子園球場では今季初のデーゲーム。キレイな青空に、いの一番にアーチをかけたのは、大山だ。

 「昨日の反省はしっかりして、今日は今日で気持ち新たにのぞんでいた。先制のチャンスで回ってきたので、打てて良かった」
 初回2死一、二塁。遠藤の3球目、外角高めストレートを強振すると、打球はバックスクリーン左に達した。8日のDeNA戦以来4試合ぶり、本拠地では6試合ぶりの一発。サンズに並ぶチームトップの18号先制3ランは、決勝弾にもなった。走者がいる場面で2度凡退した前夜の“借り”を返した。

 「一番怖いのはシーズン中にバッティングが小さくなること。そうならないように、無理矢理にでも、結果が出なくても、打席でフルスイングしておく必要があるんです」

 今春キャンプ直後の発言だ。ライバルのマルテと対照的に結果が出ていなかった。目立ったのは時に軽率に見える「初球からのフルスイング」。結果への欲望と、試合に出られないかもしれない恐怖と戦いながら、「振れる癖」を付けることを優先した。

 シーズンでも変わらない。軽打が必要な場面を除き、いかなるカウントでもフルスイングを貫く。凡退すれば“あっさりしてる”“軽い”と評されるが、過去3年の経験から、このスタイルがベターだと分かっているから、ブれることはない。そんな主軸としての成長を、矢野監督も感じ取っている。

 「初回の一番いい場面でホームランを打ってくれた。ああいう場面で打てる打者、そして、もっともっと打てる打者だと思うので。これからもランナーを置いた時こそね。還せるバッティングをしてもらいたいです」

 18発は巨人・岡本に次ぐリーグ2位タイで、球団では86年バース以来の本塁打王も視野に入る。浮かれる様子はみじんもない。「ホームランの数より、勝利打点や、そういうヒットをもっと増やしていきたい」。どこまでも実直。また今日も、勝ちにつながる一打だけを求めて打席に向かう。(巻木 周平)

 ≪日本人では84年掛布以来の本塁打王なるか?≫大山(神)が初回に18号3ラン。同僚のサンズと並ぶリーグ2位で、トップの岡本(巨)を3本差で追う。阪神選手の本塁打王タイトルは86年バースが最後で、日本人では84年掛布以来。右打者に限れば75年田淵以来となる快挙を狙う。

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