阪神・秋山 8回途中まで気迫1失点!直球130キロ台でも的絞らせず圧倒5連勝

[ 2020年9月13日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3―1広島 ( 2020年9月12日    甲子園 )

<神・広>力投する阪神先発の秋山 (撮影・後藤 大輝)
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 ため込んだ力を聖地のマウンドで解き放った。中12日で先発した阪神・秋山は、7回0/3、5安打1失点の力投。10年ぶりの甲子園完封を逃した悔しさは残っても、5連勝を決めた白星はチームに貢献した何よりの証だ。

 「序盤、思った以上に打者が詰まってくれていたので。いつも以上に早打ちだったので、(捕手の梅野が)うまく配球してくれた」

 直球のほとんどが130キロ台でも、キレと球威があった。2回は鈴木誠、松山の中軸を詰まらせ、ともに中飛に仕留めるなど終始、圧倒。中盤からはカットボール、フォークの割合も増やして目線を変えた。「いろいろやれるのが僕のスタイル」。今季5度目の対戦を数えた広島に対して既視感を感じさせない投球で的を絞らせなかった。

 「(完封は)ちょっと頭に入ってましたけど、下位打者に四球は反省して次に向かわないと」。8回先頭からの連続四球で降板。スタンドからは積み重ねた7個のゼロを称える拍手が注がれた。矢野監督にも「気持ちも前面に出て、ナイスピッチング」と気迫の90球を称えられた。

 後輩の“声”も力に変えた。矢野監督の発案で全国の高校球児に甲子園の土が入ったキーホルダーをプレゼントした企画で、母校・西条高の野球部員から御礼の手紙と写真が届いた。後輩たちが困難に立ち向かい前を向いていることが伝わる文字に目を通し、「やって良かった」と安堵(あんど)。同時に「僕たちは高校球児たちが憧れてる舞台で野球をやっている」と燃えるものもあった。

 使命感を持って上がった聖地のマウンド。「間が開いて、久しぶりの甲子園。楽しみに迎えた」。投げられる喜びを体現し、背負った責任を果たした。香川から駆けつけて観戦した両親にも届ける1勝。「大好き」な場所で背番号46が輝いた。(遠藤 礼)

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