【石川】星稜・奥川、今大会初先発で1失点完投「踏ん張れた」4年連続の4強入り

[ 2019年7月24日 13:50 ]

第101回全国高校野球選手権 石川大会準々決勝   星稜2―1遊学館 ( 2019年7月24日    石川県立 )

<石川大会 遊学館・星稜>先発登板の星稜・奥川は9回を投げ切り1失点の好投を見せる(撮影・後藤 大輝)
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 星稜・奥川恭伸投手(3年)が今大会初めて先発し、遊学館打線を相手に7安打1失点13奪三振で完投。4年連続の4強へと導き「厳しい場面はたくさんありましたが、しっかり踏ん張れた。どんな勝ち方でも、勝てば次につながる」と笑顔で話した。

 持ち味の安定感を存分に披露した。2―0の3回、1点を返されてなおも1死一、二塁のピンチ。ここからが奥川の真骨頂だった。

 「自分の球を信じて、ある意味開き直って行った。自信のある球を打たれたら相手が上なんだと」

 直球を確実にはじき返してくる相手に、宝刀・スライダーで対抗。3番、4番打者をともにスライダーで空振り三振に仕留め、最少失点でこの日最大のピンチをしのいだ。

 終盤3イニングは7回2死目から5連続三振を奪うなど、パーフェクト投球。「序盤は打たせて取ろうと思っていて、終盤は少し、リズムを変えた。落ちることなく、投げられたし、落ちついてできたと思う」。30度を超える気温の中、終盤にペースアップし、隙を見せなかった。

 絶妙なペース配分は昨年の夏に学んだ。

 「追い込まれた相手は底力というか、すごい盛り返しをしてくるので、それに負けないようにしたい」

 昨夏甲子園大会2回戦・済美戦。奥川は先発したものの、足をけいれんさせ、4回1失点でマウンドを降りた。7―1と大量リードの8回の8失点。2点リードの延長13回に喫したサヨナラ満塁弾。いずれもベンチから見届けることしかできなかった。「特に丁寧に、神経を使いながら行きました」。相手の底力を上回る力で試合を終えた。

 リリーフ登板した3回戦・金沢大付戦では球場のスコアボードに158キロを表示させ「(スピードガンが)壊れています」と苦笑いだった。この日の最速は球場表示で151キロ。“通常モード”に戻った形だが、それでも「そんなに出ていないと思います…」とあくまでも謙虚。学びを糧にして成長を続ける右腕に、今のところ弱点は見当たらない。

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