阪神・鳥谷3カ月ぶりスタメンで超美技 打っても今季初マルチ「準備はできていた」

[ 2019年7月24日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神6―6DeNA ( 2019年7月23日    甲子園 )

2回無死、中井の打球を好捕する鳥谷(撮影・大森 寛明)
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 阪神・鳥谷敬内野手(38)が23日のDeNA戦で約3カ月ぶりに「7番・遊撃」で先発出場し攻守に躍動した。打っては今季初のマルチ安打を記録し、守っては超美技をはじめ軽快な動きを連発。試合は6―6の引き分けに終わったが、その頼もしさを改めて証明した。

 4時間33分に及んだ長期戦において誰よりも若々しい動きを見せたのが38歳のショート・鳥谷だった。4月14日の中日戦以来3カ月ぶりに「7番・遊撃」で先発出場すると、攻守で躍動した。

 まずは守備で魅せた。2回先頭の中井が放った中前に抜けそうな打球をダイビングキャッチし、素早く起き上がってアウトに。ボールの下からグラブを出しながら飛び込む、美しさと熟練さを兼ね備えたビッグプレーでピンチの芽を摘み取った。この日は7つのゴロを無難かつ、華麗にさばいてみせた。それでも「当然」とばかりにクールに振り返る。

 「守備は久々でしたけど、試合に出るときを想定して練習していたので、準備はできていました」

 打席ではチャンスメークに徹する鳥谷らしさを見せた。0―0の5回1死一塁から上茶谷の内角寄り直球を引っ張り込んで一・二塁間を破り、一、三塁に好機を拡大。「最低でも進塁打」という状況に応じた打撃をベストな結果につなげた。

 さらには7回。先頭マルテのソロアーチで2点差としなおも無死から、三嶋に2球で追い込まれたが、3球目の内角151キロを詰まりながら左前に落とした。出場40試合目で初めてマルチ安打を記録すると打線が繋がり、高山の併殺の間に1点差の生還。「打席は代打で立たせてもらっているから」と感覚に鈍りはない。

 「常にトリのスタメンというのは頭の中から消したわけではないけど。チームにとってもトリにとっても、自分の中で“ここやな”という判断でスタメンに戻したというか」

 矢野監督は遊撃起用の理由を明かし、さらに「よく足が動いているしね。落ち着いて、というか。トリを見ていて気持ちがすごく外に出ているように見えたので。俺ももちろんうれしかった」とさすがの動きを称賛した。

 処理した7つのゴロや、10回無死一塁で1球で決めた犠打も、サラリとこなしているが簡単なプレーではない。また、ガルシアには2回、ドリスには1回、マウンドに向かって短い言葉で気持ちを落ち着かせた。数字に残るコト、残らないコト。ありとあらゆる面で猛虎に欠かせない戦力だと、改めて証明した夜だった。(巻木 周平)

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2019年7月24日のニュース