日本ハム・吉田輝&柿木 “仲良し”だけではない“いつも一緒”に行動する意味

[ 2019年3月2日 16:10 ]

春季キャンプで、キャッチボールする日本ハム・吉田輝(右)と柿木
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 日本ハムのドラフト1位・吉田輝星投手(18=金足農)と、ドラフト5位・柿木蓮投手(18=大阪桐蔭)は、いつも一緒にいる。1月6日の入寮から日本ハムの新人選手を見てきたが、2人はほぼセットで行動していた。

 練習以外にも、沖縄・国頭村の2軍キャンプでは1日も欠かすことなく毎日、並んで球場入りした。キャンプ終わりの休養日にも、都内の美容院へそろって行った。吉田輝が、「(三代目J SOUL BROTHERSの)今市隆二風(の髪型)です。ワイルドにしたくて」と言えば、柿木は「老け顔なんで若くしてくださいって(美容師に)頼みました」と、楽しそうに振り返った。昨夏甲子園決勝を投げ合った2人は、大の仲良しだ。

 一方で、球団側も吉田輝と柿木を、なるべく共に行動させているようにも思える。キャンプの宿舎では、3年目の郡拓也捕手(20)も入れて同部屋にした。練習メニューでも、吉田輝が2月22日に右前腕部の張りを訴えるまで、ブルペン入りからシート打撃の登板まで全く同じ行程をたどった。

 2人は、ブルペン入りの後には互いの投球する動画を見せ合って、意見を交わしているという。球団には、相乗効果でお互いのレベルアップを図るという狙いもあるはずだ。だが、指揮官が最も期待する効果は別にあるらしい。

 2月14日。栗山監督は、吉田輝と、柿木に16日の紅白戦で先発させることを通達したが、そのときの狙いを報道陣にこう話した。「今年は勝ちきらないといけないシーズン。彼らの出す数字ではなく、そこから生まれてくるプラスアルファのかけ算みたいな力が必要になってくる」。新人2人の競争を見せることで、他の選手に刺激を与えてチーム全体の底上げを図る考えだった。

 紅白戦の前には、いつも通り並んで球場入りしたが、試合前になると意識し合って話さなくなったという吉田輝と柿木。注目されるルーキー2人のライバル関係が、チームに新しい風を吹かせると期待している。(記者コラム・武田 勇美)

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