阪神 鳥谷 敵地オープン戦フル参加「結果を出すだけ」

[ 2019年3月2日 05:30 ]

シートノックでショートに入った鳥谷(撮影・大森 寛明)
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 阪神は2日から昨季まで2年連続で日本一のソフトバンクと敵地でのオープン戦2連戦に臨む。福留、糸井らベテランが遠征メンバーから外れ、外国人選手も1試合の出場となる中、鳥谷敬内野手(37)はフル参加。遊撃のレギュラーを争う北條がキャンプMVPに輝いただけに、逆襲のアピールを狙う。

 過去の名声やベテラン待遇など、とっくに捨て去っている。いわゆる実績組ではただ一人、ソフトバンク2連戦のメンバーに入った鳥谷は、甲子園での練習を終えると博多へ向かった。さも当然といった表情で短く、強く決意を口にした。

 「結果を出さないといけないんで。結果を出すだけです」

 並々ならぬ覚悟で臨んだ16年目の春季キャンプだった。2月1日のメニュー表。昨年まで福留、糸井らと同様「自主」と書かれていた欄に、若手と同じメニューがぎっしりと記されていた。初日から近本、木浪らと同組。挑戦の道を選んだ鳥谷自身が望んだことで、長くチームの象徴だった背番号1が新人と一緒に泥にまみれた。

 最後まで若手と同じメニューをこなしてキャンプを完走。2月27日の打ち上げ時には矢野監督からもその姿勢を評価され「ポジションもない状態だった。1からやると決めて臨んだキャンプだったんで、そういう意味ではそう言ってもらえて良かった」と手応えを口にした。実戦にも例年より早い段階から計5試合出場し「早く出ないと競争に勝てないと思っているんで。これからも競争が続くので、しっかり結果を残していきたい」と前を見据えた。

 ライバルは強力だ。現時点でのレギュラー最有力候補の北條は、キャンプ中の実戦8試合で21打数11安打、打率・524の大暴れ。矢野監督からキャンプMVPに指名された。同じく遊撃手が本職の木浪も全8試合で安打を放ち、一躍、脚光を浴びた。“ショート1本”での再挑戦を決意した鳥谷の前には若いカベが立ちはだかっている。それでも、磨き上げた技術と蓄積された経験では他の追随を許さず、がむしゃらさ、必死さでも若手に負けるつもりはない。

 2日の相手先発は難敵・千賀。普段はクールな鳥谷だけに「相手は関係ないですよね?」と質問されたが「関係ないことはない。打たないといけないんで」と語気を強めた。今後のオープン戦は8日の倉敷での楽天戦だけは甲子園に残って打ち込む可能性があるが、それ以外は全試合に出場態勢。背水の陣を敷いた猛虎のスターが、全身全霊でポジションを奪いに行く。(山添 晴治)

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2019年3月2日のニュース