野球の未来のため…“絶好調ではない”清宮 GW中1軍デビューの理由 

[ 2018年5月4日 11:15 ]

3日の試合後、サインボールを投げ込む日本ハムの清宮
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 日本ハムのドラフト1位・清宮幸太郎内野手(18)が、腹膜炎からの離脱を経て5月2日に1軍デビューした。昇格即「6番・DH」でデビューすると、1軍初打席で楽天のエース右腕・岸の直球をファーストスイングで見事にはじき返して、中越えの二塁打。早実3年時から取材をしてきた記者も、鮮烈なデビューを果たす役者ぶりに思わずうなってしまった。

 栗山監督は「コンディションが整っている感じではない」と決して絶好調ではないと判断しながらも清宮の昇格を決めた理由をこう語る。「ゴールデンウイークに夢を見る子どもたちに姿を見せることは、次の世代につながると思う。そういう選手であると信じている」と明かした。ゴールデンウイーク中には子どものファンも多く球場に訪れる。まだ野球を始めていない子どもたちが清宮の豪快な打撃にあこがれて野球を始めるかもしれない。指揮官はチーム事情を考慮しながらも、野球界全体のことまで考えて昇格時期を探っていたのだ。

 清宮少年も球場に通って野球を始めた1人だ。4歳だった04年3月31日には、ヤンキース・松井が日本開幕戦で凱旋したデビルレイズ(現レイズ)戦を東京ドームで観戦。「松井さんがホームランを打ちましたね。小さかったけど覚えています」。未来の大砲を魅了したのはやはり鮮やかな放物線だった。また、早実初等部1年時には06年の早実―駒大苫小牧の夏の甲子園決勝再試合を観戦したことが野球を始めるきっかけとなった。だからこそ「自分を見て野球を始めてくれる子がいたらいいなと思う」と子どもの目標となれるような選手を目指している。

 あす5日はこどもの日。清宮が子どもたちを魅了する一発が出るかどうか。未来のプロ野球選手が生まれるきっかけとなる一発が出ることを期待している。(記者コラム・東尾 洋樹)

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2018年5月4日のニュース