清宮 スライダー狙い打ち 「やられた」2三振“待ってやり返した”

[ 2018年5月4日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム4―1楽天 ( 2018年5月3日    札幌D )

<日・楽>7回1死、右前打を放つ清宮
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 日本ハムのドラフト1位・清宮幸太郎内野手(18)が3日、デビュー2試合目の楽天戦で初勝利の喜びを味わった。前日から1つ打順が上がり「5番・DH」で先発出場。0―1の7回に2戦連続安打となる右前打を放ち、清水優心(ゆうし)捕手(21)の逆転満塁本塁打の起点となった。光ったのは対応力。2打席目まで連続三振したスライダーを狙い打ちした。

 早いカウントから打ちに出るのが持ち味の清宮が、1つの球種だけを待ち構えた。「スライダーでやられたので狙っていました」。第1、2打席は辛島のスライダーに空振り三振。前日から4打席連続三振で迎えた7回1死の第3打席だった。

 4球目までバットを振らない。カウント3―1からの5球目。低めにきたこの打席初めてのスライダーを完璧に捉え、痛烈な打球で一、二塁間を抜いた。この安打から杉谷、鶴岡と代打攻勢で3連打。塁が全て埋まり、清水の逆転弾が出た。

 「自分の安打から生まれたけど、つないでくれた人、還してくれた人がいて、自分はプレッシャーがない中で打っただけ。後ろの方に感謝したい」

 先輩を立てた新人。ただ、2回から5イニング連続無安打の中で開いた突破口は、まぎれもなく大きかった。左腕・辛島のスライダーは勝負球の一つ。「回転が凄くて今まで見たことがない。(途中まで)真っすぐきて、感覚的にはチェンジアップみたい。それで(体が)前に出された」と苦しんだ。2打席目までに6球投じられ、空振り5球、見逃しストライク1球。バットにすら当たらなかった球を打ちたい意地があった。

 早実時代の2年秋の東京都大会決勝で日大三・桜井(現DeNA)から5打席連続三振。何度も映像を見返し、桜井のスライダーを打つために右肩の開きを抑える打撃フォームに修正した。やられたら、やり返す。栗山監督が「ただアウトになって、次の打席に生かせなかったら意味がない」と称えれば、緒方野手総合コーチも「3―1のカウントで高卒新人なら直球を待ちたくなるけど、やられた球を打つのは修正能力だね」と目を細めた。

 前日は初打席初安打を放ったが、試合は3安打零敗。「昨日と今日では全然違います。逆転できたのは絶対に勝つという気持ちから生まれたもの」と1軍で味わう勝利の味は格別だった。4日は日本や米国で制定される「スター・ウォーズ・デー」だ。大人気映画の勇壮なテーマ曲で打席に向かう背番号21が、ファンが期待する一発を届ける。(東尾 洋樹)

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